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はいこんにちは!もしくはこんばんは!
という訳で国語!!です!
国語の時に提出した『修学旅行記』が意外と好評だったので載せたいと思います!!
「もののけ」
修学旅行二日目、僕達は「老松」へと向かった。
老松と書いて「おいまつ」と読むのだ、最初「ろうしょう」と読んでいたのは僕だけではないことを信じている。
老松は有名な和菓子店である。僕たちはそこに和菓子作り体験をするために行くのだ。
バスを降り、少し歩くと、言葉にしにくい「ザ・京都」みたいな風景に目を奪われる。
「すげぇ…!」
思わず感嘆の声が漏れる。ザ・京都の中を歩いているといよいよ老松が現れた。決して大きくは無い建物だがとても歴史と威圧感を感じ時たのは、大きく老松と書かれた看板の仕業だろう。
私たちは入ろうとしたが、少し思いとどまった。
入口らしき物が二つあったからである。
一つは普通の引き戸式の扉。普通だったらこちらに入るだろう。しかし、もう一つは廊下にのれんが垂れただけといった具合の入り口。
(???)
マジで思考停止の5秒前。戦慄する自分。
たしかに、普通に考えれば明らかに前者の引き戸の方だが、こちらはそこに住んでいる人の家の玄関という可能性もぬぐい去れない!
そう考えるとのれんオンリーの方が趣と風情があるように見えてきたぞ…
…まて、落ち着け自分、このままでは埒が明かない!
そう思った僕は颯爽と前者の、引き戸式の扉の前に立つ。
こちらの方が何とかなる気がする。これで普通の民家の玄関だったら…全力の土下座をかまして逃げよう。
心の中で逃げる準備を整え、いつでも土下座できる心構えで引き戸を開ける。
「こ、こんにちは~?」
「~♪」
僕の弱腰の挨拶に返事を返してくれたのは某コンビニエンスストアの入店時のメロディだった。
その音を聴いてホッと胸を撫で下ろす。この音が鳴る玄関なんて知り合い一人しか知らないから大丈夫だろう。
…て言うか和菓子屋でこの音はどうなんだ?
それは置いといて辺りを見回すと和菓子の入ったショーケースがあった。値段は見ない見ない。
少し待つと奥から和服の女の人が出てきて、お金を先に払い体験を受ける事になった。値段は知らない言わない。
一度、引き戸式の扉から出て、先ほど迷っていて入らなかったすだれオンリーの方へ入るように促される。そのまま入っていくと厨房にでて、ここでするのかと思ったらそう言う訳ではなく厨房をスルーして、たどり着いたのは2階へと続く階段だった。とても急な階段だ。
ここに、昔急な階段から落ちたトラウマを持っているので二足歩行を忘れ半ば四つん這いで階段を上がる痛々しい少年の姿があった…僕だった。
階段を上がりきると流し台があった。そこで担当の人が言う。
「ここで手を洗ってください、あと、手に傷がある人はこのゴム手袋を使ってください。」
ここに、カッタ―で指を切っていて、ゴム手袋をはめる切ない少年の姿があった…やはり僕だった。
手を洗い終わると、広めの部屋に入った。そこで担当の女の人にレクチャーを受ける。見ている間ずっと担当の人(女)の手がきれいだなぁなんて手をガン見してたなんて口が裂けても言えない。
一通り説明が終わり、今度は僕達が作る番だ。説明通りに作るだけ、ダイジョーブ。ダイジョーブ。
まずは手を濡らして湿らせ、粘土のような生地を手に取る。それを握ったり伸ばしたりして柔らかくしていく。これを「こなし」と言う。
こなしが終わったら、今度はそれを平べったく伸ばしていく、その中にあんを入れて少しづつ閉じて行く、最初は時計回りに最後は反時計回りに生地を回しながら閉じて行く事が大切だ。
あんを生地で包み終え、次の鮮やかな色を乗せて指で馴染ませる「ぼかし」作業も終える。
ここまでは、順調であった…
最後の工程、「三点しぼり」に入る。布巾で和菓子を包んで三本指を和菓子に押しながらてるてる坊主を作る時のように絞っていく。
上手くいくと花の蕾のようになるはず。だった。
「…何だこれ?」
指の当て方が悪かったのか、蕾といういより顔だった。
なんかもののけ姫に出てきた首がカタカタなるもののけ(「こだま」と言うらしい)に似ている。しかも生地が紫色だからゾンビ顔だった。
「出来たら名前をつけてくださいね~」
ほー名前か…よし、「もののけ」で。
みんな和菓子を完成させた頃、お茶を出してくれたので、それを飲みながら「もののけ」を頂く事にする。あばよ、もののけ。いい奴だったな。
…もののけの味は…普通に甘い和菓子だった。
そこで、担当の人が良い事を言う。
「最後に、和菓子を食べる上で一番大切な五感は耳です。和菓子の名前を耳で聞いてその名前と和菓子を重ねて食べる事が大切なのです。そんな素敵な名前を和菓子につけられたら良いですね。」
それならばもののけはかなり良いネーミングだったのでは無いだろうか。僕に名前をつけられ、想像され、食べられたもののけ。僕は君を忘れない。
そんなもののけの余韻に浸りながら老松を後にした。
ありがとうございました。老松の皆さん、いい勉強ができました。
―――そしてもののけ、君はいつまでも僕の心の中で生き続けるだろう。
それではノシ
という訳で国語!!です!
国語の時に提出した『修学旅行記』が意外と好評だったので載せたいと思います!!
「もののけ」
修学旅行二日目、僕達は「老松」へと向かった。
老松と書いて「おいまつ」と読むのだ、最初「ろうしょう」と読んでいたのは僕だけではないことを信じている。
老松は有名な和菓子店である。僕たちはそこに和菓子作り体験をするために行くのだ。
バスを降り、少し歩くと、言葉にしにくい「ザ・京都」みたいな風景に目を奪われる。
「すげぇ…!」
思わず感嘆の声が漏れる。ザ・京都の中を歩いているといよいよ老松が現れた。決して大きくは無い建物だがとても歴史と威圧感を感じ時たのは、大きく老松と書かれた看板の仕業だろう。
私たちは入ろうとしたが、少し思いとどまった。
入口らしき物が二つあったからである。
一つは普通の引き戸式の扉。普通だったらこちらに入るだろう。しかし、もう一つは廊下にのれんが垂れただけといった具合の入り口。
(???)
マジで思考停止の5秒前。戦慄する自分。
たしかに、普通に考えれば明らかに前者の引き戸の方だが、こちらはそこに住んでいる人の家の玄関という可能性もぬぐい去れない!
そう考えるとのれんオンリーの方が趣と風情があるように見えてきたぞ…
…まて、落ち着け自分、このままでは埒が明かない!
そう思った僕は颯爽と前者の、引き戸式の扉の前に立つ。
こちらの方が何とかなる気がする。これで普通の民家の玄関だったら…全力の土下座をかまして逃げよう。
心の中で逃げる準備を整え、いつでも土下座できる心構えで引き戸を開ける。
「こ、こんにちは~?」
「~♪」
僕の弱腰の挨拶に返事を返してくれたのは某コンビニエンスストアの入店時のメロディだった。
その音を聴いてホッと胸を撫で下ろす。この音が鳴る玄関なんて知り合い一人しか知らないから大丈夫だろう。
…て言うか和菓子屋でこの音はどうなんだ?
それは置いといて辺りを見回すと和菓子の入ったショーケースがあった。値段は見ない見ない。
少し待つと奥から和服の女の人が出てきて、お金を先に払い体験を受ける事になった。値段は知らない言わない。
一度、引き戸式の扉から出て、先ほど迷っていて入らなかったすだれオンリーの方へ入るように促される。そのまま入っていくと厨房にでて、ここでするのかと思ったらそう言う訳ではなく厨房をスルーして、たどり着いたのは2階へと続く階段だった。とても急な階段だ。
ここに、昔急な階段から落ちたトラウマを持っているので二足歩行を忘れ半ば四つん這いで階段を上がる痛々しい少年の姿があった…僕だった。
階段を上がりきると流し台があった。そこで担当の人が言う。
「ここで手を洗ってください、あと、手に傷がある人はこのゴム手袋を使ってください。」
ここに、カッタ―で指を切っていて、ゴム手袋をはめる切ない少年の姿があった…やはり僕だった。
手を洗い終わると、広めの部屋に入った。そこで担当の女の人にレクチャーを受ける。見ている間ずっと担当の人(女)の手がきれいだなぁなんて手をガン見してたなんて口が裂けても言えない。
一通り説明が終わり、今度は僕達が作る番だ。説明通りに作るだけ、ダイジョーブ。ダイジョーブ。
まずは手を濡らして湿らせ、粘土のような生地を手に取る。それを握ったり伸ばしたりして柔らかくしていく。これを「こなし」と言う。
こなしが終わったら、今度はそれを平べったく伸ばしていく、その中にあんを入れて少しづつ閉じて行く、最初は時計回りに最後は反時計回りに生地を回しながら閉じて行く事が大切だ。
あんを生地で包み終え、次の鮮やかな色を乗せて指で馴染ませる「ぼかし」作業も終える。
ここまでは、順調であった…
最後の工程、「三点しぼり」に入る。布巾で和菓子を包んで三本指を和菓子に押しながらてるてる坊主を作る時のように絞っていく。
上手くいくと花の蕾のようになるはず。だった。
「…何だこれ?」
指の当て方が悪かったのか、蕾といういより顔だった。
なんかもののけ姫に出てきた首がカタカタなるもののけ(「こだま」と言うらしい)に似ている。しかも生地が紫色だからゾンビ顔だった。
「出来たら名前をつけてくださいね~」
ほー名前か…よし、「もののけ」で。
みんな和菓子を完成させた頃、お茶を出してくれたので、それを飲みながら「もののけ」を頂く事にする。あばよ、もののけ。いい奴だったな。
…もののけの味は…普通に甘い和菓子だった。
そこで、担当の人が良い事を言う。
「最後に、和菓子を食べる上で一番大切な五感は耳です。和菓子の名前を耳で聞いてその名前と和菓子を重ねて食べる事が大切なのです。そんな素敵な名前を和菓子につけられたら良いですね。」
それならばもののけはかなり良いネーミングだったのでは無いだろうか。僕に名前をつけられ、想像され、食べられたもののけ。僕は君を忘れない。
そんなもののけの余韻に浸りながら老松を後にした。
ありがとうございました。老松の皆さん、いい勉強ができました。
―――そしてもののけ、君はいつまでも僕の心の中で生き続けるだろう。
それではノシ


