「ザ クラウン」のシーズン4が始まり、
面白くて一気に見てしまった。
2,3年前のシーズン1から見ていて、
次が始まるのを楽しみにしていたドラマだ。
エリザベス女王役もシーズン3から
貫禄のオリビア・コールマンに変り、
内容も当時リアルタイムで見聞きした事なので更に興味深い。
ダイアナ妃と王室との確執でシーズン4は終わっているが
何とシーズン6まであるらしい。
(ヘレナ ボナム カーターがマーガレット王女役)
その「ザ・クラウン」に刺激されて、
ドキュメンタリー作品の
「ハウス オブ ウィンザー」も見る事に。
こちらは古い映像に加え、歴史研究家の解説や
当時の関係者のインタビューを交えながらの作品となっている。
特に印象に残ったのは、例の<王冠を賭けた恋>で有名な
エリザベス女王の叔父にあたるエドワード8世が
ウィリス夫人のために王位を捨てて国外に出た後に、
第二次世界大戦中にナチスに接近していたと言う事実。
そして何と政治的クーデターを目論んでいた!?そうだ。
(知らなかった。)
クーデター成功後に又王に複位して権力を取り戻し
そして夫人も王妃にしたかったらしい。
その反逆罪とも言えるようなスキャンダルのせいで、
彼はその後更にイギリスには戻れないような立場となり
無為で空しい人生を送ることになったそうだ。
エドワード8世という人は
洒落者で趣味も多く感情豊かな、いわば人間的な人で
民衆にはとても人気があったそうだが
君主には向かないキャラだったようだ。
チャールズ皇太子は小さい頃から
<あのエドワード大叔父さんのようにならないように!>
と叩き込まれて育ったらしいが、
結果的にはそれが仇になったのかも。
もしかすると気質的にも似たような所があって余計に
そう心配されたのかもしれないが。
しかしドラマの中で、エリザベス女王とフィリップ殿下が
チャールズ皇太子のことを
ハッキリと「失敗作」と評する場面があって驚く。
いくらドラマだとしても。。
彼らから見たら王位継承者の長男は
かなりの<ダメンズ>なのだ。
繊細で気持ちの弱い自信のないダメ男と思われて、
どうなるのだろうとずっと心配されていたらしい。
王室においては王室の存続が一番の優先事項で、
それを継続発展させられないような人間は、
全く評価されないのだろう。
ただチャールズの父フィリップ殿下や
大叔父マウントバッテン卿は、
いわゆるマッチョで、人を支配するような
権力志向の強い性格のようだが、
チャールズにもそれを期待したというか、
そうでなければ許されない
・・という一律の価値観を押しつけていたようなので、
その点ではチャールズ皇太子は気の毒であったと思う。
王室といえども、どこの家庭にもあるような人間関係の悩み、
それに歴代の首相との関係やら、外交や歴史的な経過やら、
ドラマもドキュメンタリーも面白く無いはずがない。
次のザ・クラウンのシーズン5が楽しみだ。
サッチャー首相を始め、よく似ている役者さんを揃えている。
仕草もよく似ているようだ。
ダイアナ妃の上目使いの姿勢や、
サッチャー首相の前に乗り出すような姿勢等などそっくり。
多分話し方なども本物に似てるんでしょうね。
ロケ地や衣装なども素晴らしく、
見どころ満載の一大歴史絵巻でした。
しかしこういう現存の王室のドラマ放映が許可されるなんて、
イギリスという国は懐が深いなあと感心する。
(これも観光資源の一つとして捉えられているのかね。)