今日は月曜、ご近所ランチ。
今年はコートとかジャケットの襟に大きめブローチを
つけているのがちょっと目に付く。
それに触発されて、60年位前のものと思われる母のブローチをコートにつけてみた。
ガラスか水晶か、これまで捨てらずにずっと持っていただけだったけど、
やっと日の目を見た?
昨日のクリスマスイブ、私は家でゆっくりして
録画していた成瀬巳喜男監督の「山の音」、川端康成原作を楽しんだ。
例によってヒロインは原節子、舅役が山村聰。
嫁と舅の微妙な愛情関係を描いている。
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時代は昭和20~30年代位。
夫役は加山雄三の父の上原謙、軽薄な美男子で
満たされないものを抱えてる様子がうまく出ていて適役だと思った。
白黒映画だが、北鎌倉の住宅地の様子、
未舗装の小道に美しい生垣が続いている様子や
ゆとりのある庭に平屋の昔ながらの木造の家など
見ているだけで、子供のころの記憶がよみがえり懐かしい。
数日前にNHKのカズオイシグロのインタビューを見たが、
その中で、彼の記憶にある日本、長崎は
(5歳までしか住んでいないので)
もう、今の日本にはない。
その時代の古い映画を見ると、シンパシーを感じる。
…というようなことを言っていた。
この映画もそういう意味でも文化的遺産に近いなあと思う。
その他にもその時代ならではの価値観、
今の私たちから見ると
軽い違和感を覚えるようなところがあって興味深い。
夫の浮気で出戻ってきた妹に対する両親の冷たいような対応や
娘より嫁を大事にするような雰囲気。
嫁いだものはもうよその家の者、自分で責任を取るべしという感じとか、
又出戻りの妹が、まだ小さい我が子を叱る様子がかなり邪険だったり。
でもそのやり取りを見ていて、私の子供の頃の世間って
多かれ少なかれそんな風潮があったようにも感じた。
それからこう感じるのは私くらいかもしれないが
嫁役の原節子が、夫からも舅からも
まだまだ子供に感じられる・・という設定になっていて、
そういうセリフも随所に出てくる。
けれど映像の中の原節子は十分に成熟していて
むしろ妖艶であり、この役ってどうなのかなあ・・と感じた次第だった。
原作を読んでみようかとも思ったが、
川端康成の初老の男目線、何やらロリコン趣味がありそうだから、
まあ読まないかな。