家系図はまだ
・母方の曽祖父母
・母方の祖父母
・母
まで。
父方について書く前に、私が小さかった頃の家族構成について書きたいと思います。
血の繋がらないもう一人の家族
私が幼い頃と小中学生の頃、うちは8人家族でした。
追々書きますが、うちは何度も引っ越しをし、家族構成もその度に変わっています。
子供時代、この8人全員で暮らした期間が一番幸せな時でした。
祖父母・両親・私・妹2人、これで7人。
そしてもう一人。
祖母と一歳違いの「みっちゃん」という血の繋がっていないおばあちゃんがいました。
8人で一番長く暮らした家は、一階が6畳の和室二間と狭い台所とトイレと風呂場、二階が4畳半と8畳の部屋が一つずつのとても狭い家。
その4畳半の部屋にみっちゃんは住んでいました。
「なんでおばあちゃんが二人いるの?」
何度友達に聞かれたかわかりません 笑
みっちゃんは一座の踊り子の一人でした。
みっちゃんが一座に入った理由
みっちゃんが生まれたのは信州。
厳格な家で育ち、親が決めた相手と結婚しました。
でもその旦那さんの暴力が酷いものだったらしく(内容を聞いたけどとてもじゃないけど書けないような暴力)、、耐えきれずに子供を身籠ったまま実家に戻ったそう。
でも実家はみっちゃんを守ってくれず、婚家に連れ戻され、それも束の間、子供が生まれるとすぐ一度もおっぱいも飲ませられないまま旦那の親に子供を取り上げられ、みっちゃんだけ家を追い出されたそうです。
嫁ぎ先からは追い出され、実家にも帰れない。
ちょうどそんな時に長野で公演していた一座を知り、踊り子として雇ってもらったと、みっちゃんから聞きました。
現代の私には到底納得いく話ではないのですが、昭和の初め頃はこんなことが当たり前だったんでしょうか。。
色々な事情はあったのかもしれないけど
生涯を家族としてうちで過ごしたみっちゃん
一座が解散した時、座員はみな全国に散っていきましたが、祖母と仲の良かったみっちゃんはうちに残りました。
みっちゃんにとっては一座と祖母が家族だったのでしょうね…
結局その後、亡くなるまでずっと、みっちゃんはうちの家族でした。
本当の家族
「みっちゃん」というのは名前の「光子」の呼び名ですが、「光子」は本名ではありません。
本名はまったく違う名前です。
本名を使わず、血の繋がらない家族と一生を過ごしたみっちゃん。
みっちゃんが亡くなったのは私が成人してからですが、高校生の時、みっちゃんにずっと聞いてみたかったことを思いきって言ったことがありました。
「娘さんに会いたい?」
みっちゃんは即座に首を振りました。
「会いたくないし、会える立場じゃない。向こうも会いたくないでしょう」
「でも、みっちゃんが悪いわけじゃないでしょ?無理やり引き離されたわけだし…本当に本心から会いたくないの?これからもう一生、一度も会わないままでいいの?」
もう私はボッロボロ泣きながら話してました。
会いたくないなんて強がりだと思ったから。
娘さんの幸せを壊したくないっていうみっちゃんの気持ちが言葉にしなくても痛いほど伝わるような気がしたから。
実はこの話をする少し前に、母から、みっちゃんに悪性腫瘍が見つかったこと、もう手遅れだと医者に言われたことを聞いていました。
だからみっちゃんがもし娘さんに会いたいならなんとかならないかと思って、気持ちを確かめたんです( ; ; )
みっちゃんの生い立ちを祖母や母やみっちゃん本人に聞いてから、私もずっと気になってたことだったし。
娘さんやお孫さん、みっちゃんの本当の家族に生きている間に会わせてあげたかった( ; ; )
みっちゃんの遺骨
みっちゃんの遺骨は今、みっちゃんの故郷にいます。
うちのお墓に入れるわけにもいかず、亡くなる前、そして亡くなった後で親族の方に連絡をとりました。
親族の方はみっちゃんが亡くなる前には現れず、亡くなった後に遺骨だけ引き取りに来ました。
みっちゃんの娘さんは、本当の母親のことを知らないそうです。
亡くなってからやっと、みっちゃんは故郷に帰れました。
みっちゃんへの私の後悔
みっちゃんが入院してる時、いつもは母に同行して行っていたんですが、私と妹の2人だけでお見舞いに行ったことがありました。
そしたらみっちゃんが、6人部屋の同室の方に
「うちの娘が来てくれた」
と嬉しそうに紹介したんです
私はそれが気恥ずかしくて、、娘じゃないのにという戸惑いもあり、、その後お見舞いに行くのをためらってしまいました
そしてそのまま、みっちゃんが亡くなった時も間に合いませんでした。
あんなに可愛がってもらったのに
みっちゃん、本当にごめんなさい
いくら謝っても届かないのが辛い
血の繋がりのない家系図
家系図って血が繋がっていないと入れられないのかな?
でももし私が書く時は、絶対にみっちゃんの名前も入れる。
祖母の隣にみっちゃんを書きます。
うちの娘だと言ってくれたみっちゃん。
私のおばあちゃんだということをちゃんと残したい。