翌日


今度はちょっと不格好な枝のオリーブくんをさけちゃんがえらんで二人で店に入った。


年末の仕事納め前の週末のためか、若い女性店員のがレジにいた。


例の店主はいたが、お客であるわれわれにはまったく見向きもしなかった。



「ありがとうございましたぁ~」




甲高い女性店員の声に軽く会釈して振り返ったけれど、
あの店主は背を向けたままだった。


店をでた途端、さけちゃんと目があった。


「救ってあげてよかったね。」

思うことは同じ…か。

でも、まだ店先の路地には残りの4株のオリーブちゃんたちが、寒々と風の吹く中ゆられている。


うらめしそう・・・に、こちらを見ているようだ。


「ごめん!次、また救いにくるから、それまでガンバレ!」


と、声をかけてあとにした。


かくして、我が家のベランダに2つのオリーブが仲良くならんで、一つの鉢植えに居を構えることになった。

何にでも名前をつけるさけちゃんが言った。

「ようこそ!Mr & Mrs Olive!」

あろはす日記-201001221622000.jpg



なんか、とりあえず、イイコトをした気分になった。

あの残された四兄弟たちが気にかかったけど…。


(きっとつづく…)