吉田篤弘「中庭のオレンジ」
吉田篤弘「中庭のオレンジ」中央公論新社2022年12月 初版発行317頁やすらぎのひとときに、心にあかりを灯す21話の物語どれもほっこりやさしい吉田ワールドですこの本のタイトルとなった「中庭のオレンジ」は「オレンジの実る中庭」「オレンジ・スピリッツの作り方」の三部作で、冒頭、中盤、ラストに収録されていて、少し悲しくて、でも希望もみられる素敵な物語他の物語も全部、少しだけ風変わりで不思議そして、明かな結末がありません吉田篤弘さんによるあとがきより自分の子供の頃の読書には、答えも終わりもなく、そこにあるのは、理屈を超えた「たのしい」「ふしぎ」「こわい」「かなしい」「さみしい」でした。確かに、物語を味わうのに理屈はいらないのにあれこれ考えてしまって、物語を「味わう」楽しみを忘れてしまっていたことに気づかされました不思議で寂しくて温かい物語の数々お薦めです