週刊ダイヤモンドの特集です。
表紙のインパクトについ買って読んでしまいました。
書かれているのは正規雇用と非正規雇用の不平等についてがメインで、
「非正規雇用を増やしておいて、
非正規雇用経験者は正規雇用として雇わない」企業への批判が述べられて
います。
さて、では「非正規雇用者の待遇改善」をすれば問題は解消するのでしょうか?
個人的にはそれは無理だと思っています。
労働という市場における「非正規雇用者」の競争相手は
実は日本人だけではないからです。
製造業がアジア諸国にシフトし「産業の空洞化」が叫ばれた時代から、
最近は日本回帰が進んでいるといわれています。
その背景にあるのが「非正規雇用者」の存在だと考えるべきではないでしょうか?
製造業、特に過当競争に置かれている電機業界において、
生産ラインの人件費をどこまで下げるかというかは大きな課題。
仮に非正規雇用者の待遇を改善したとき、彼らがどうなるか。
工場がアジアにシフトして失業するだけだったりするのではないかと
感じてしまいます。
労働力の調査について、もうひとつ興味深い部分がありました。
「3人に1人が非正規雇用者」と、正規雇用を減らし非正規雇用を
増やしている実情をグラフにしているのですが。
実は総数は増えています。
国内の労働者の供給が増えている以上、競争が激しくなるのも当然。
背景には女性の社会進出があるのかなと思います。
優秀な女性が社会に進出するようになったということは、
その分はじき出される男性が出てくるわけです。
女性の社会進出が悪いというつもりはありません。
「非正規雇用者の増加」という一面だけを捉えて動くと本質を
見落とす可能性があるのではないかと、そういうことです。