たまたま友人のメールに答えた内容が、
思いのほか的を射ているような気がしたので整理しなおしてみる。
Web2.0、ロングテール。
今年の前半のメジャーな言葉でもある。
概念としてはわかりやすい。
こうやってブログを書いている人を含めて、既存のリアルな社会では
「価値」として認められないような取るに足りないものを集めて
新しい大きな価値、利益を得ようという発想。
発想は間違っていないと思う。
写真でも、音楽でも、文章でも。
それを仕事にしていなくてもものすごい作品を作り出す人はいる。
だが、概念に現実がついていくには少し時間を必要。
「オンライン商店街が商売になる」と考えられたときから
楽天がビジネスとしてきちんと成り立つようになるまでに長い時間を
要してしまったように。
ところが投資家(特に短期売買の人)は勝手なもので。
四半期ごとにどんどん計画を上回る実績を上げて欲しいという。
そんなの無理だ。
概念として生まれてから、実生活に根付くまでには5年10年という
時間がかかる。
市場が過度の期待を経営者に押し付ける。
結果として市場の成熟よりも早いペースで新しいサービスを展開する。
ところが需要サイドはそのスピードにはついていけていない。
だからサービスがいまひとつ受け入れられない。
結果として「やっぱりITなんて信じられない」みたいな風潮が生まれる。
いまMIXI中毒になっているような学生たちが30代になったら
どんな世の中になっているだろう?
もっともっと新しいWebサービスが受け入れられる時代になっているはずだ。
ライブドアは時価総額を伸ばし続けるために無理な買収を繰り返した。
村上ファンドは過度の運用利回りを得るために仕手のようなことをした。
USENは新しいメディアの中心になるという目標のために無理をしすぎた。
成長期待が薄らいで株価が下がる。
ただ単に過度の期待が正常に戻りつつあるだけ。
決して成長が止まるわけじゃない。
時代の流れは変えられない。