全5冊、読み終わりました。


「火怨」に続いて、またもや高橋克彦の描く東北の世界に


どっぷりと嵌ってしまいました。



昔、司馬遼太郎の「関が原」(主役が石田三成)を読んだときもそうだったけれど。


歴史の流れから弾きだされてしまった人たちのドラマが面白いと感じる。



歴史の教科書では坂上田村麻呂は英雄で、アテルイは悪者。


前九年の役、後三年の役だってあくまでも主体は内裏側から描かれる。


だけど小説の中には魅力的な「悪役」が生き生きと描かれている。



往々にして「天下統一」を成し遂げた人が「正義」として語られるが、


統一とは征服すること。


罪もない人たちを攻め滅ぼしていることだって多い。


人それぞれに自分の立場と言うものがあり、それぞれの正義がある。


絶対的な正義や、絶対的な悪なんて存在しない。




それは今の時代も変わらない。