10月27日に2005年9月期決算内容の上方修正を発表済み、

なので結果についてはいまさら驚きもない。

経常増益、最終減益となるのは過去の繰越欠損がなくなっただけ

なので、特にネガティブなものでもない。


焦点は「来期の見通し」と「各事業ごとの詳細な収支状況」になる。

まず来期見通し。

05/9 売上 432億円 経常利益 27億円

06/9 売上 600億円 経常利益 40億円


50%の増収増益基調。これまで通りの順調な成長。

ただし、繰越欠損がなくなったため、当期利益の予想は20億円、

1株あたりの利益は6102円(分割後3051円)ということは。

今日の終値222000円に対してPERは72.76倍。

中期目標の「売上高営業利益率20%」を達成できるなら

まだまだ割安な水準となるので、市場のコンセンサスとしては

「さすがにそこまでは無理」と見られているということになる。



各事業ごとの収支はどうか。

中間時点で黒字だった他社媒体の広告代理事業が通期で

赤字となっている。つまり下期はかなりマイナスとなったという

ことだ。当社の売上の3分の1を占める広告代理事業(他社媒体)の

赤字の原因は人員の増加によるものか。

下期は採用を抑制していたが、売上の増加はあとから来るので、

結果として一時的に赤字になったのだろうと見られる。

基本的に薄利な商売であることはよくわかる。


最近伸びているサイトリスティングサービスは、バナーなんかを

作る必要がない分、以前以上に当社の利益は少ないのかもしれない。

こういう状況になっているからこそ、自社媒体の強化を進めている

のだろう。


その意味ではまず、スクラップサービスはうまくいきそうに見える。

最近伸びているSNSの要素を取り入れつつ、ポイントは

「ブログと同時にコミュニティに書き込める」というところか。

実際、SNSの日記に外部のブログを使用していることもよくあるので、

逆の発想でブログ側からSNSに仕掛けるようなイメージになる。


なんにせよ、ブログの収益化を重要課題として取り組んできたのが

「必要なこと」であったのはよくわかる。

前期は広告代理事業で赤字を出しながらも売上の数字を作り、

投資育成事業(持ち株の売却??)で利益の3分の2を作っている。

決算書と事業の実態に少し差があるのだ。

今期、きちんと本業(広告というよりもメディア)で収益の柱を作れないと、

いつまでも「投資育成事業」の利益が出せるとは限らない。


ネガティブに聞こえる話を書いているが、

現在のところPERは同業のオプトよりは低いようだし、

今後の収益力強化に向けて手を打っているという点では十分に

評価はできるのではないかと思う。