ある日の店長と副店長の話
宝くじでも当たらないでしょうかね。
突然どうしたんですか?
今日は「宝くじの日」なので、ついついそんな考えが浮かんでしまいましてね。
宝くじの日なんですか。
正式名称は「当せん金付証票」と言いますが、長いので良い感じに省略して「宝くじ」と呼ばれています。
どこをどう省略したらそう呼べるのか分かりませんけど?
そもそも宝くじとは「当せん金付証票法」という法律に基づいて発行される「富くじ」のことなんです。
「富くじ」とか言う別のくじが現れてますが…
というかそんな法律があるんですか。
そうです。
ですので、国から認められなければ発行できないものなんですよ。
そういうことになりますよね。
あれ?そういえば神社で売られている「おみくじ」はどういう扱いなんでしょう?
あれは当せん金が付いている訳ではないのでその法律には含まれないですね。
言われてみればそうですね。
ですが、古くは江戸時代に神社や寺の修復費用を集める等の目的で「富籤(とみくじ)」を発行していたという歴史がありますので、通じる部分はあるかも知れないですね。
そこで富くじが出てくるんですか。
ちなみに当せん金が付いている籤を購入する賭博行為を指すのは宝くじではなく「富籤」が正しいとされていて、現在でもそれは変わりません。
そうだったんですか。
当せん金付の籤を買うのが「富籤」、1年間の良し悪しの占いに一喜一憂するのが「おみくじ」、収益を事務所に報告しなくて良いのが「闇籤」です。
事務所って何ですか!?
闇営業みたいな言い方しないで下さいよ!
時代は流れ、昭和に入ってから日中戦争の戦費調達のために制定された「臨時資金調整法」に基づいて、「福券」や「勝札」等の名前で発行されたこともあるそうですよ。
験担ぎの意味も込めて、勝札なんて名前で発行されたんですかね?
そのつもりだったんでしょうけど、1945年7月にこの勝札が発行され、この当せん発表の直前に敗戦したため「負札」なんて皮肉を言われたそうです。
笑えないジョークですね…
そして1948年に「当せん金付証票法」が制定され、以来何度も法改正をされながら現在も宝くじとして存在しているんです。
そんな歴史があったんですね。
ちなみに法改正によって1等の最高金額の上限がどんどん引き上げられていて、平成元年の年末ジャンボ宝くじは1等が1億円で前後賞が各2000万円だったのに対して、現在は1等が7億円で前後賞が各1億5000万円の計10億円にまで膨れ上がっています。
頻繁に最高額が跳ね上がっているから感覚がマヒしていますけど、良く考えたらとんでもない額ですね。
平成の30年間だけで7倍になっているので、単純計算するとおよそ200年後には国の国家予算くらいの当せん金になっているんでしょうね。
そんな賞金が設定されるわけないでしょう!?
宝くじの賞金を支払うために国債を発行することになるじゃないですか!
1枚300円のくじを1枚買っただけで、もしかしたら7億円が当たるかも知れない…すごく夢がありますよね。
それはそうですけど、たった1枚買っただけで当たるなんてことはないでしょうね~
ということで僕は国家予算レベルの当せん金が設定されるまで生きているかどうか、おみくじに占ってもらってきますね。
生きているわけないでしょう!!?
そんな金額が設定されるわけないですし、そもそも賞金が欲しいならおみくじじゃなくて宝くじを買いに行けば良いじゃないですか!
もしくは、手っ取り早く高額のお金がもらえる闇籤にしましょうか…
そっちは金銭的にもネタ的にもダメですって!!