ある日の店長と副店長の話

 

今日は「下駄の日」だそうです。

 

下駄って、あの履物の下駄のことですよね?

 

そうです。

下駄の寸法が「七寸七分」であることと、雪道を下駄で歩いた足跡が「二二」に見えることから、全国木製はきもの業組合連合会が制定しました。

 

どうにもこじつけ感が否めない気がしますが…7月7日や2月2日じゃダメだったんでしょうか?

 

七夕節分という日本古来の年中行事に下駄が入り込む余地があると思いますか?

 

…分が悪い勝負ですね。

 

そうでしょう?

ところで副店長は下駄を履いたことはありますか?

 

何度かありますよ。

と言っても、温泉宿の露天風呂の移動の際に置いてあったものとか、旅館のトイレのスリッパ代わりに置いてあったものとかを履いたことがあるだけですけど。

 

仕事柄、もしくは趣味や好みなどで普段から下駄を履く生活をされている人でも無い限り、現代人にはあまり縁が無い履物ですからね。

 

店長は下駄を履く機会なんてありましたか?

 

毎日履いていますよ。

 

毎日!?

いや、でも店に居る時は靴じゃないですか?

 

勤務中の服装に指定がありますからね、さすがに店内は遠慮させてもらっています。

 

それはそうでしょうけど…(指定が無ければ履く気なのかな?)

 

世界中の人たちが下駄の魅力に気付いてくれると良いんですけどね。

 

下駄の魅力と言われても…

カランコロン音が鳴ってうるさいし、走れないどころか早く歩くのも難しいし、鼻緒が親指と人差し指の間に食い込んだら痛いし、あと申し訳ないですがダサく感じるというか…

色々とデメリットばかり思い浮かぶんですけど?

 

一度でも下駄を履いた経験がある人にはそういうイメージが定着してしまうかも知れないですね。

しかし、何を隠そう下駄は日本人が開発した超有能な健康グッズなんですよ!

 

そうなんですか?

あんな歩きにくい履物にどんな効果があるんですか?

 

そう、その歩きにくい履物というのがポイントなんです。

 

どういうことですか?

 

そもそも下駄は靴と違って鼻緒を親指と人差し指で引っかけるだけで履くものなので、歩く時にかかとが下駄から離れてしまわないよう無意識に下駄の板を掴もうとして親指に力を込めて歩くようになるんです。

 

確かに親指に力を入れて歩いたような気がします。

 

その歩き方になると自然と足の親指の付け根付近に重心がくるようになるので、足への衝撃を和らげてくれることで身体のバランス感覚が敏感になり、姿勢の矯正に繋がります。

 

バランス感覚を養ったり、姿勢を正すのに一役買っているということですか。

 

また、足が開放されているので、足の形に合わない靴を履いた時に起こりがちな外反母趾などの症状や、水虫の予防にもなりますね。

 

なるほど、足が締め付けられないから足の変形や蒸れることによる水虫に悩むことも無くなるかも知れないですね!

 

また、鼻緒を挟む指のツボ、板によって足裏のツボが刺激されることで身体の末梢から血行が促進されるので身体全体の血流が良くなり、ひいては脳が活性化することに繋がります。

 

血行が良くなるというのは身体全体に良い影響がありそうですね。

 

もちろんです。

身体の代謝が上がるようになって太りにくくなりますし、脳が活性化することで勉強や仕事の能率が上がったり、記憶力上昇や認知症予防も期待できます。

 

なんだか良いことばかりに聞こえますけど…さすがに冬になったら裸足では履けないですよ。

 

確かに、健康のために裸足で履き続けて、冬に足元から底冷えを起こしては本末転倒ですよね。

そういう時には5本指ソックスを履いてから下駄を履けば寒さをしのげますよ。

 

そこまでして履くものですか!?

 

健康のためには多少の犠牲はつきものですよ?

 

それこそ本末転倒じゃないですか!?

 

こんな感じで、下駄がいかに有能な履物であるかということに気付いて欲しいと思うんです。

ということで副店長も一緒に下駄を履きましょう!

 

う~ん、下駄が凄い履物だってことは分かりましたけど、やっぱりまだ抵抗が…

 

何を言っているんですか。

ここに入社する時に既に「下駄を履かせて」あげたじゃないですか。

 

それどういう意味ですか!?

僕は本当は不採用だったってことですか!!?

 

冗談ですよ?

 

…多分?

 

そこは断言して下さいよ!!

 

ちなみに「下駄を履かせる」で調べると、十中八九その意味の例文が書いてありますので見てみると良いですよ。

 

途中まで良い話だったのにな~…