いつの間にか彼が消えていました










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キッチンに住んでいたはずの忍田くんが、知らぬ間に跡形もなくいなくなっていました








僕は無我夢中で街中を探しました








どこかに彼がいるんじゃないか







すぐに戻ってくるんじゃないか








そんな淡い期待を抱いて街を走り回りました









やっと見つけた見覚えのある後ろ姿









振り向いた知らない顔にうつむきました








一体どこに行ってしまったのか








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なぜ何も言ってくれなかったのか







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もう会う事はできないのか








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気がつけば、僕は知らない街をさまよい歩いていました








昔のように笑いあう事はもう出来ないのか










昔のように、映画の伏線確認の為に何度も巻き戻す僕に見兼ねて
忍田「もう先進めよ。何回巻き戻すんだよ」
僕「いやちゃんと確認しないと気になって進めねーだろ!」
忍田「だとしてもどんだけだよ。お前頭わいてんのかよ(笑)」
僕「…あぁ!?」
みたいな些細な事でガン切れするケンカも出来ないのか







そう思ったら悲しみが溢れてきて








降り出した雨の中、人目もはばからずに泣きました







頬を伝うのが雨なのか、涙なのか、それすらももうわかりません







泣き疲れ、雨に打たれながら崩れ落ちた僕の頭上に突然傘が現れました








その傘の持ち主に手を引かれ、僕はその人の住居らしき場所へ連れて行かれました







涙で溢れかえった僕の目は、その人のぼんやりとした輪郭しか捉えられませんでしたが








その人の部屋の明かりに照らされてやっと気づきました














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忍田くんでした









雨はいつの間にか止んでいました



















という事で忍田くんが引っ越したので、その新居に遊びに行ってきました







この話はフィクションです












ケンカの件だけノンフィクションです





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