ハイブリッド車が主流になっている昨今、どうも物足りなさを感じていた。 燃費を気にせずアクセルを思い切り踏み込んでピュンピュン走り、小回りのきく、運転が楽しい「クルマ」がほしいという思いがずっとあった。

ホンダから軽スポーツが出るという噂を聞いてから5年、注文してから半年でやっと念願がかなった。
 

S660。期待以上の逸品。加速がまだるっこしいのかと思いきや、予想が裏切られた。スポーツモードにすると別のエンジンに変身する。 欠点は、センターディスプレイをナビにするのにスマホが必要でしかも有料なこと。ガラケーしか持っていない者は、仕方がないからナビを空気吹き出し口にセットして使う。
 

この車はセンターディスプレイが無いとバックカメラが使えず、恐ろしいくらい後ろが見えない。特に左後方が確認できない。だからβではなくαを買って正解だった。

心地よい秋の休日。S660を駆って東北道から秋田道に入る。今日のねらいは山内というところでブドウを買うこと。ここのブドウは甘くておいしく値段が手ごろだ。 秋田道は単線だが、追い越し区間でS660の加速を試す。文句なしだ。ただ、100㎞を越えると風切り音がひどい。キャンパストップのフロント部分が空気の流れを乱しているのだ。初めて黄色と白のS660とすれ違う。そろそろ納車台数が増えてきたようだ。

年甲斐もなくこんな軽スポーツカーを買ったのだが、ユーザーズボイスをみると50歳代が結構多い。アイルトン・セナやアラン・プロストといったマクラーレンホンダのF1常勝期をよく知っている世代だろう。ホンダはそもそもがこういう期待を担っているメーカーなのだ。
 

軽だから税金が安い。高速料金も安い。セカンドカーだからツーシーターで何ら不便がない。こういうメリットもある。あと何年乗れるか分からないが気分はF1ドライバーだ。