あなたと初めて会った時、
冷たいその瞳をまっすぐ見つめることができなかった。
その鋭い視線で僕の心の奥の甘えも見透かされているようで、
自分の名前を告げるの精いっぱいだった。

「始めまして、シム・チャンミンといいます」

「チョン・ユンホ。よろしく」

「よろしくお願いします」

「お前さ、なんでちゃんと目え見て話さねえの?」

「え?あの…」

「人と話すときは相手の目を見て話せって親に言われなかったか?」

「いいえ、そんなことは…」

「はっきり目を見て話せないなら」

「はい」

「そんなんじゃ、長続きしないんじゃねえの?」

「いえ、僕は…」

「軽い気持ちなら今すぐやめたほうがいいぜ。俺ならそうする」

「僕は…」

「やる気があるなら根性見せろ。まずは俺の目を見て話せるようになってからな」

あなたはそう言うと、もう興味をなくしたように僕から視線をはずしてしまった。
それがなぜだか少しショックだった。

横暴な人なんだろうか、それとも意地悪された?
でも、あなたの横顔をこっそり見つめていたけど、あなたの目には1ミリの迷いもなく
ただまっすぐ前を見て黙々とするべきことをこなしているだけだった。
仲間うちでもあなたが一目置かれているのはすぐにわかったし、
さっきの言葉もきっとまだ覚悟の足りない僕に対する忠告なのだろう。
くやしいけれど、そう思うことができた。

だってあなたが他の後輩に向ける目は厳しいだけじゃなかった。
あなたが誰かに微笑みかける。
あなたに認められなければあんなふうには笑ってもらえないんだ。
今の僕では二度とあなたの瞳に映ることはできないかもしれない。
それはイヤだ。
なんでかわからないけれど、あなたに見つめられたい。
僕にもあんなふうに笑いかけてほしい。
僕はちゃんとあなたと向かい合ってあなたに認めさせたいんだ。

最初は軽い気持ちだったけど、もうそうじゃない。
僕は目標を見つけた。
大人しそうに見えるかもしれないけれど、
僕はこうと決めたら絶対にあきらめない自信がある。
今はあなたの背中を見ることしかできないけれど、
きっとあなたに追いついて、あなたの瞳に映る。
待ってて、絶対にそうするから。
最初にちゃんと目を見て話せたのはそれから少したってからだった。


to be continued ...





(画像はお借りしています)