「ヒョン、お茶でもいかがですか?」


忙しいスケジュールの合間のちょっとした休憩時間、

お前も疲れているだろうに、簡易キッチンでお湯を沸かし始める。


「そうだな。でもチャンミン疲れてないか?」


「お茶を淹れるくらい大丈夫ですよ。ペットボトルばかりじゃ飽きるでしょ?」


「ありがとう」


控室で2人きりになってようやく体の力を抜ける。

あちこち無理をしているせいか、いつもより肩が凝っているみたいだ。


ソファに足を投げ出して座り、目を閉じると、ふんわり爽やかな香りが鼻孔をくすぐる。


「いい匂いだな?なに?これ」


「ちょっと疲れたんで今日はシャリマティーにしてみました」


「シャリマティー?」


「はい。こうしてオレンジの輪切りを浮かべるんですよ。レモンティーのオレンジ版です」


「チャンミンよく知ってるなー。でもなんでオレンジ?」


「それは…」


「うん?」


振り返ってみるとお前が耳を赤くしてうつむいている。


「チャンミナ?どうした?」


「別になんでもないです。今日がオレンジデーとか関係ないですから」


「オレンジデー?」


「あっ、ヒョン、今のなし。忘れてください」


慌てて振り返ろうとするお前を腕の中に閉じ込める。


「ちょっと、ヒョン、離してください。誰か入ってきたら…」


「大丈夫。鍵掛けてるよ」


そっと耳もとで囁くとお前は目もとまで赤くして大人しく腕の中に収まる。

怪我をしてから俺の足に負担をかけないように、あまり本気で抵抗しないのをいいことに

チャンミンの首筋に唇をすべらせ、その匂いを吸いこむ。


「チャンミナ、教えてよ。オレンジデーってなに?今日はブラックデーだろ?」


「それは韓国でしょ。日本では今日はオレンジデーと言って…」


「うん?」


「2月3月に続くカップルの行事ですよ」


「へぇ、そうなんだ」


「別に深い意味はないですけど…たまたま撮影で使ったオレンジがあったから」


「俺たちはブラックデーは関係ないもんな」


「ヒョン…」


「だろ?」


「うん。ねぇヒョン、お茶が冷めちゃう…」


「もちょっとだけ、いいだろ?」


それ以上の抗議はできないようにお前の顎をとらえ、唇を塞いだ。

オレンジデー、紅茶の香りとお前の甘い唇があればそれでいい。



fin.






























Happy Orange Day ! !

ホミンちゃんが2人でお祝いしてるといいなぁ。(*≧∇≦*)




【追記】韓国にもオレンジデーがありました。あはは(^^ゞ


韓国の記念日(毎月14日)…記念日好きなんですね


 1月 ダイアリーデー

 2月 バレンタインデー

 3月 ホワイトデー

 4月 ブラックデー

 5月 ローズデー・イエローデー

 6月 キスデー

 7月 シルバーデー

 8月 グリーンデー

 9月 ミュージックデー・フォトデー

10月 ワインデー

11月 オレンジデー・ムービーデー

12月 ハグデー