夜中に響くうめき声。


「チャンミナ、チャンミナ…どこだ?」


またあなたが僕を探す。


気だるい体を引きずって、ベッドに腰掛ける。


「ユノ、僕はここにいますよ。ちゃんといますから」


「おいで」


「ヒョン…」


あなたの腕に引かれ、ベッドに沈む。


発作を起こすと僕を抱かなければ正気に戻れないあなた。


あなたが望むなら、何度抱かれてもいいけれど、


あなたの瞳には今の僕は映っていない。


あなたが闇につかまらないように、冷えた体を抱きしめ温める。


ヒョン、早く戻ってきて…僕のところに。





あの日、どうして僕はあなたの手を離してしまったんだろう。


なぜだか胸騒ぎがした。


あなたに関することには敏感なんだ。


よくないことが起きそうで、思わず握った手をあなたは優しく微笑みながらはずした。


大丈夫だから、と頬を撫でられ、それ以上は何も言えなかった。


そして数分後、あなたは倒れてきた機材で頭を打ち、意識を失った。


1週間こん睡状態が続き、その間僕もすべての仕事をキャンセルした。


どちらにしても2人での活動期間だったから、あなたがこんな状態では延期せざるをえない。


目覚めないあなたの手を握り、あなたの腕にもたれて眠る日々、


体の疲労よりも心が引き裂かれたような痛みで苦しかった。




そして1週間後、僕は髪を撫でる手に起こされた。


顔を上げるとあなたが微笑んでいた。


「ヒョン!気がついたんですか。僕がわかりますか?」


「どうした?チャンミナ。相変わらず泣き虫だな。ヒョンが守ってやるから大丈夫だよ」


「ヒョン?」


ヒョンの様子が変だ。


意識が回復したため、慌ただしく医師や看護師がヒョンの容体を調べる。


精密検査のため、僕が再びヒョンと顔を合わせたのは半日もたった頃だった。


ヒョンが病室に戻ってくる前に僕とマネージャーが担当医師に呼ばれた。



医師によると、体の外傷はそれほどひどくなく、全治2週間ほどだという。


ただ、深刻なのはユノが解離性記憶障害の疑いがあるということだった。




to be continued ...