あなたがどうして黙っていなくなってしまったのかわからないけど、

きっと急用ができたんだと思うことにした。

それよりも僕はあなたがベッドを出たことに気づかなかった自分が許せなかった。


朝の忙しい時間を邪魔するのは行けない気がしてあなたに会いに行けない。

昨日は昼間に時間を作ってくれたけど、今日はなんの約束もない。

夜まで会えないなんて…寂しさに体が震えた。



「チャンミナ、顔色悪いぞ」


「そう?」


「昨日もいつの間にか保健室に行ったまま戻ってこなかったじゃないか」


「うん。心配かけてごめん」


「ちゃんと眠れてるのか?目の下にくまができてる。もしかして寮が合わないのか?」


「そんなことないよ。ちゃんと寝てるし部屋は1人だから大丈夫」


「それならいいけど、何かあったら言えよ。俺でできることならなんでもしてやるから」


「ふふ、頼もしいね。そんなこと言ってくれるのはキュヒョナだけだね」


「俺たち親友だろ?遠慮するな。あとさ、思ったんだけど…」



キュヒョンは言葉を濁してじっと僕の顔を見つめる。



「なんだよ、じろじろ見て気持ち悪いな」


「お前、今つきあってるやついるの?」


「え?急に何言って…」


「急にじゃないよ。前も言ったろ?違うならいいし、言いたくないなら聞かない」


「別にそういうわけじゃ…それにそんなんじゃないし」


「それならいいけど、何か困ったら言えよ?」


「うん。ありがと」


「そうだ。今日放課後時間あるか?聖歌隊の練習見に来ないか?」


「聖歌隊?」


「うん。クリスマスのミサの練習が始まったから、見てほしくて」


「キュヒョナって聖歌隊に入ってたんだ」


「この時期だけな。普段はやってないけど臨時の部員募集してるんだよ」


「ふうん」


「チャンミナ、いい声してるからどうかと思って」


「いい声って…」


「何赤くなってるんだよ。おかしなやつ」


「別に赤くなんて…」


いつもヒョンに言われている言葉を思い出してちょっと恥ずかしくなった。

部活もしてないし、興味がないわけじゃないけれど、今日はそんな気分になれない。


「今日はやめとく。また今度誘って?」


「そっか…じゃあ近いうちにな」


キュヒョンと別れて、今日はもう寮に帰ることにする。

あなたと会えない学校はつまらなくて、部屋であなたを待ちながら勉強でもした方がいい。


ちょっとでもあなたの姿を見られないかと、日誌を預かって職員室に向かった。

もし会えたとしても知らん顔しないといけないけれど、ちょっとだけでもあなたに会いたい。

職員室を出て、わざとゆっくりと廊下を歩いていると誰かの声が聞こえてきた。


「お前も見た?すっげえ美人。迫力あったけど」


「美人ってなんだ?」


「校門のとこにいただろ?」


「ああ、あれってチョン財閥の秘書だろ?しかも婚約者だって噂もあるじゃん」


「婚約者?かなり年上だろ?でもいいよなー、あんな美人なら年上でも」


「だよな。週末は実家でしっぽりってことじゃねえ?」


「待ちきれなくて迎えにきたのか。羨ましいな」


「財閥の御曹司だもんな。俺たちとは住む世界が違うって」


「くそー、男子校なんて来るんじゃなかった」


「今さら遅いって。共学に行っても彼女できなきゃ同じだろ?」



チョン財閥…ヒョンのことを言ってるの?

秘書って誰?婚約者って?

僕は何も聞いてない。

実家に婚約者がいるなんて言ってなかった。

週末帰るとも言ってなかった。

寮に入ってからいつも一緒だった。

週末はずっとあなたの部屋で2人きりで過ごしていた。

あなたが僕を残して帰ってしまうことなんて一度もなかった。


昨夜の電話はこういうことだったの?


僕は涙が出そうになって、走って寮の部屋に帰った。

その夜、あなたはいなかった。



to be continued ...



(画像はお借りしました)


































お久しぶりの秘密の庭です。

あんまり気乗りがしなかったんですけど、ずっと気になっているので、

とっとと終わらせなくては…と思いつつまだ終わってません。(-_-;)

番外編もちょろっと書いたりして、珍しく引っ張ってます。

チャンミン、悪いけど泣いてもらいます。←鬼