「俺はお前の何?」
あなたからそんなこと言われるなんて思わなかったから、
素直に逢いたいって言えないから、
どうしていいかわからなくて、
とうとう僕は勇気を振り絞ってあなたの名前を呼ぶ。
「………ユノ」
「うん」
「ユノ」
「うん、なんだ?チャンミン」
僕の好きなあなたの声。
あなたが僕の名前を呼ぶときのその声が好きだ。
僕の耳が、僕の大好きなあなたの声を感じて、
僕の心臓が、鼓動が強くなる。
逢いたい、早く逢いたい、今すぐに逢いたいと脈打つ。
僕の瞳が早くあなたを映したくて潤む。
僕の全身が、すべての神経が、何よりも心が、あなたを求め出す。
「ぁ…いた…い…」
「チャンミナ?」
「ユノ、逢いたい、んだ…すぐに。今すぐ逢いたい…」
「泣くなよ、チャンミン」
「泣いてなんかいないです」
「俺はお前に泣かれるのが一番つらいんだ」
「意地悪したくせに」
「意地悪って、お前ねぇ…まあ、そんな可愛いこと言ってもらえるなら、
これからはちょっと意地悪になろうかな」
「ふざけないでください。人の気も知らないで」
「悪かったよ。ふざけてなんかないから、ごめんって。
俺も逢いたくてたまらないよ、チャンミナ。明日までなんか待てないよ。
今すぐお前を抱きしめたいよ」
「それなら、すぐにここに来て抱きしめればいいじゃないですか。
僕を明日まで待たせる気ですか?」
「いいの?今すぐ抱きしめても」
「早く来て、ヒョン…ユノ」
「目を閉じてごらん。チャンミナ、俺は今お前を抱きしめているよ。
感じるだろう?今、お前の髪をなでているの」
あなたに言われるままに目を閉じて、あなたの声に導かれるまま、
僕はあなたを感じる。
電話の向こうで僕を抱きしめ、僕の髪をなでるあなたの手を感じる。
大好きなあなたの大きな手がきれいな指が僕の髪を優しくなでるように、
僕は自分で髪をなでる。
「うん。もっとなでて」
「次はほっぺた。お前の丸いほっぺたが可愛いくて好きだよ」
ファンがよく僕の頬が丸いというのをからかって、あなたは指で僕の頬をつまむ。
愛しくてたまらない顔で微笑みながら、両手で僕の頬を包む。
きっと今もそんな顔をしているんでしょう?
「好きなのはほっぺただけ?」
もっと触ってほしくて、僕は甘えた声でねだる。
本当はあなたが目の前にいたら、あなたの好きなちょっと上目遣いをするんだけど
今の僕はあなたの声を感じたくて目を閉じているんだ。
「いや。もっとあるよ。次はあごのライン。ここはカッコよくて好きだよ」
「あなたの横顔もステキですよ」
「それはうれしいな。いつも褒めてくれないのに、今夜は優しいのな」
「あなただって、こんなこと、いつもはしないのに…」
すると、あなたはちょっと照れたように笑う。
「それは、お前がこんな可愛い声で誘惑するからだろ」
「さては酔ってますね」
「どうかな。2人きりのときはいつもそんな感じだろ?」
「そんな感じって??」
「俺たちお互いに酔っぱらってるみたいなもんだろ。少なくとも俺はお前に夢中だし」
「ちょっ、何言って」
「ホントのことだろ。お前が目の前にいたら抱きしめずにはいられないし、
お前と目があったらキスしないでいられないし」
「もう、なんでそんな恥ずかしいことを次から次へとぺらぺらしゃべれるんですか」
「ベッドではもっと恥ずかしいことしてるのに、これくらいで何言ってるんだか」
「もう知りません」
「もうやめちゃうの?さっきまでいい雰囲気だったのに。お前感じただろ?」
「このエロオヤジ」
「エロオヤジでもいいけどさ、続きしよっか」
「?何をする気ですか?」
「だからこのまま電話でさ…」
to be continued ...