「ヒョン、それじゃあ行きますね」

「ああ」

10年もの間一緒に暮らしていたのに、最後の言葉はたった一言。
ドアを閉めてため息をひとつ。
ほんのちょっとだけ、本当にちょっとだけだよ、期待していたんだ。
あなたの手が僕の腕をつかんで引き止めてくれることを。
引きとめてくれなくても、ただ強く抱きしめてくれるだけでもいいのに。
そしたら僕は、ヒョンと離れたくないって素直に言えたのに。

この10年間、あなたの背中だけを見て、ずっとあなたに追いつきたくて、
…僕にはそれだけだった。

2人になったときだって、本当は僕にとってはそんなに変わらないんだ。
5人のときとは違うことはいっぱいあるけれど、僕が見つめるのは昔も今もあなただけ。
いろんなことがあったけど、変わらないのはいつも傍にあなたがいて、僕の世界にはあなただけなんだ。
もう立ち上がることさえできないと思ったあのときさえ、あなたと2人で乗り越えることができたんだ。

あなただって、僕しかいないでしょ?
これは愛じゃないの?
僕を愛しているくせに、僕しか愛せないくせに、
僕を手放してあなたは後悔しないの?
ねぇ、これは愛じゃないの?

離れてしまえば電話もメールもくれないあなたを待ち続けるのは寂しい。
いくら仕事で会えたって、それは僕を愛してくれるあなたじゃないんだ。

いいよ。
僕からは電話もメールもしないから。
僕を手放したことをうんと後悔すればいいんだ。
仕事のパートナーでしかない僕に触れられなくて焦れればいいんだ。
すぐにあなたは思い知ることになるんだ。
僕を愛しているんだって。

ねぇ、ユノ。
誰が何と言おうと僕たちはお互いに愛し合っているんだ。
世間的にはちょっと受け入れてもらえないかもしれないけれど、
でも、これが僕たちの愛なんだ。
早く気づいてよ。

もう何日会っていない?
もう何日声を聞いていない?
もう何日僕に触れていない?

早く気づいてよ。
あなたは僕を手放せない。
そして僕もあなたなしでは生きられない。
だから早く戻ってこいって言ってよ。
あなたの腕の中に早く帰りたいんだ。


Whitesnake Is This love (With Lyrics)

(hicksalex85さんの動画をお借りしました)


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昔、友人と同人やってたことがあるんですけど、(絵は描けないんで小説誌です)
そのときから、文を書くために必ず音が必要なんですね。
タイトルはたいてい横文字で、そのイメージにあう音楽が決まると
話がいろいろと思い浮かぶんです。
実在のモデルがいる上での文ってあんまり書いてこなかったんですけど、
ホミンちゃんにはいろいろ浮かびますねぇ。
どこにもアップしたことないけど、TONE出たときも全部の曲にお話つくろうとして
実際いくつかは書きかけであったりします。
今回はブランクあったんで肩慣らしのつもりで、ポエムっぽくしてみました。
この曲の歌詞はユノヒョンの気持ちってことで、曲のイメージではあるけど、
逆の立場から書いてみました。