三日月が、中天に差し掛かっていました。
月の女神は、裏側に隠れて、寒さをしのいでいるようです。
思い切って、手を伸ばして、ぐっと押してみました。
すると、いつもの昇って下りる道から外れて、空にはりついてしまいました。
空の真ん中で、半分欠けた月が、碧く凍りついたように空にくっついたままになってしまいました。
その裏側では、女神様はどうしているんでしょうか?
裏側に押し付けられて、身動きが取れなくなっているのか、何日も月は、そこにはりついていました。
満ちることもそれ以上欠けることもせず、ただ碧く光を放っていました。
私はその碧い光をうけて、身体が透き通ってきました。
夜空の暗い、黒い色が藍色にぼんやりしていて、私の身体はその色に溶けてしまいました。
そうしたら、気づけば月の高さに浮かんでいて、裏側の女神と目が合ってしまいました。
女神は黙っていましたが、私のことを怒っているようでした。
私は言葉にはしないまま、一生懸命謝って、月を引っ張って元に戻しました。
そしてすべて、元に戻りました。