仕事でお世話になったフォトジャーナリスト・大塚敦子さんの書籍『いつか帰りたい ぼくのふるさと』が刊行となり、私も入手しました。

福島第1原発20キロ圏内で飼われていた猫「キティ」が、住民が皆避難して一人ぼっちになった後も生き延び、保護され、著者の家に引き取られ、飼い主と再開するストーリーが、写真とともに綴られています。

いわゆる写真絵本の形式を取った子ども向けの書籍でありながら、大人が読んでも十分に感銘を受け、いろんなことを考えさせられる本です。


$TEACHERS ”OFF”LINE-いつか帰りたい ぼくのふるさと
表紙の猫が「キティ」。
大塚家では「福ちゃん」。
ちょっとムッチリして愛らしいです。


福島では「キティ」と同様、ボランティアの手によって保護された犬や猫がたくさんいます。そのうち何匹かは、運良く飼い主のもとに戻れたり、新しい飼い主の家で暮らすことができましたが、中には未だ引き取り手の見当たらない猫もいます。

そんな中から、高齢で、片目が不自由で、猫エイズウイルスにも感染している「キティ」を引き取った大塚さんの優しさに、頭が下がります。

書籍の最後には、大塚さんの手記が載せられ、私自身が普段考えていること、感じていることとも相通じる部分が多々ありました。

ペットは、飼っている人にとって家族のようなものです。
そんな絆が一つの事故によって引き裂かれたという事実は、今回の原発事故において、数あるドラマの一つにすぎないかもしれません。

でも、そんな小さなドラマから、今回の事故が意味することを私たちは考えてみる価値があるのではないでしょうか。


いつか帰りたい ぼくのふるさと: 福島第一原発20キロ圏内からきたねこ/小学館

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