数年前の話だが、某出版社の管理職の方から、「誰か若くて優秀な編集者がいないか。いたら紹介して欲しい」と相談を受けたことがある。
その編集部で欠員が出たとのことで、公募で面接をしたものの、望むような人材が応募してこなかったとのこと。それで、知り合いの会社に聞いて回っているとの話だった。
どんな人材ですかと聞いたところ「自分で企画が立てれて、プロジェクトを動かす力があって、若くて意欲的な人」とのこと。思わず「そんな人がいたら、うちが欲しいですよ」と笑いながら返してしまった。
冗談は抜きにして、ここの所、うちがお付き合いしているような専門書系の出版社は、高齢化が著しい。私がお付き合いしている編集者も多くが40~50代。20代は皆無で、30代も数えるほどしかいない。
ある雑誌の編集部なんぞ、若手が次々と入れ替わって、長く在籍しているのはみんなベテランという状況。それだけではなく、携わるライター、カメラマンも、軒並み40以上となっている。
もちろん、そうした状況を直接的に否定するわけではない。ベテランばかりで優勝争いをする野球チーム然り、高いパフォーマンスを発揮することもあるだろう。
だが、そんなチームはいずれ崩壊を招く。だから、適度な「世代交代」が必要なのは言うまでも無い。
専門書の出版業界に、若手が育たない、定着しない要因は何なんだろうか。本づくりという仕事そのものが、「今時」ではないのだろうか。
きっと、それだけではないだろう。分析するに、若手が育たない「環境」を私たちが作って来てしまったのではないか。
私も含め、40代になっても監督・コーチにならず、現場に固執し、日々ゲラを回しているベテランは多い。必然的に、若手の出場機会は減る。
また、若手を育てようという空気も、昔より薄れている感がある。若い人が自由な想像力を発揮し、周囲がそれをアシストし、何かあった時は監督たる人が責任を取る。昔はあったそんな空気感が薄れてきているような気がしてならない。
現場に固執せず、ベテランが勇気を持って階段を一歩上がる。それが、若手を「本づくり」の世界に呼び込み、業界全体を活性化することになるのではないだろうか。
その編集部で欠員が出たとのことで、公募で面接をしたものの、望むような人材が応募してこなかったとのこと。それで、知り合いの会社に聞いて回っているとの話だった。
どんな人材ですかと聞いたところ「自分で企画が立てれて、プロジェクトを動かす力があって、若くて意欲的な人」とのこと。思わず「そんな人がいたら、うちが欲しいですよ」と笑いながら返してしまった。
冗談は抜きにして、ここの所、うちがお付き合いしているような専門書系の出版社は、高齢化が著しい。私がお付き合いしている編集者も多くが40~50代。20代は皆無で、30代も数えるほどしかいない。
ある雑誌の編集部なんぞ、若手が次々と入れ替わって、長く在籍しているのはみんなベテランという状況。それだけではなく、携わるライター、カメラマンも、軒並み40以上となっている。
もちろん、そうした状況を直接的に否定するわけではない。ベテランばかりで優勝争いをする野球チーム然り、高いパフォーマンスを発揮することもあるだろう。
だが、そんなチームはいずれ崩壊を招く。だから、適度な「世代交代」が必要なのは言うまでも無い。
専門書の出版業界に、若手が育たない、定着しない要因は何なんだろうか。本づくりという仕事そのものが、「今時」ではないのだろうか。
きっと、それだけではないだろう。分析するに、若手が育たない「環境」を私たちが作って来てしまったのではないか。
私も含め、40代になっても監督・コーチにならず、現場に固執し、日々ゲラを回しているベテランは多い。必然的に、若手の出場機会は減る。
また、若手を育てようという空気も、昔より薄れている感がある。若い人が自由な想像力を発揮し、周囲がそれをアシストし、何かあった時は監督たる人が責任を取る。昔はあったそんな空気感が薄れてきているような気がしてならない。
現場に固執せず、ベテランが勇気を持って階段を一歩上がる。それが、若手を「本づくり」の世界に呼び込み、業界全体を活性化することになるのではないだろうか。