先日、自宅のAppleTVで、ナタリーポートマン主演の『ブラック・スワン』を観ました。

彼女がアカデミー賞・主演女優賞をとった作品なので、観た人も多いと思いますが、緊迫感に満ちた物語展開といい、斬新な演出といい、なかなか見応えのある作品だったと思います。

特にスゴイなと思ったのが、ナタリーポートマンの迫真の演技とバレエの技術。私はバレエのことはよく分かりませんが、少なくとも素人に毛がはえた程度の演技ではないことが、よく分かりました。

おそらく、この手の映画は、そうした部分で「付け焼刃」な部分が見えると、途端に視聴者に興ざめをさせてしまうのだと思います。

そういえば以前、作家の平野啓一郎氏がテレビで、タイタニックのことを次のように指摘していたことを思い出しました。

「主人公(ディカプリオ)が、恋に落ちた相手の女性(ケイト・ウィンスレット)の絵を描くシーンがあるのですが、その絵があまりにも下手すぎて興ざめをした」

なるほど、平野氏にとっては、その絵さえ素晴らしければ、画家志望である主人公の夢というものにリアリティを感じ、志半ばで海へ消えていく無念さに感情移入ができたのかもしれません。

そう考えると、映画づくりというものは、なかなか大変ですね。私自身は、タイタニックの絵がそんなに下手だったとは覚えていませんが、絵に精通した人の中には、そう感じた人もいるのかもしれません。

『ブラック・スワン』におけるナタリーポートマンのバレエが、どれほどのものなのか、プロの人の意見を聞いてみたいものです。