昨日、実家の母親から電話がありました。

「あなたの高校時代の同級生のK君って人から電話があったわよ。1月に同窓会をするそうで、その連絡先を教えてほしいって。携帯の番号を教えておいたけど、いいかしら?」

K君とは、高校3年生の時のクラスメイト。とにかく、明るくひょうきんなヤツで、クラスのムードメーカー的な存在でした。

「もちろん、問題ないよ」

その昔、K君のことを「面白い子ね。」と言っていた母親ですが、さすがに20年が経って、忘れてしまったようです。20年というのは、それだけの年月なんでしょう。

その後、夕方にK君から電話がありましたが、ちょうど週に一度の料理タイムだった私は、出ることができませんでした。すると、続いて携帯メールが入りました。

「Kです。高校の同窓会のことで連絡を取りたいので、電話ください」

不思議なもので、そのメールを見た私は、懐かしさ、嬉しさの反面、多少の煩わしさも感じてしまいました。

高校卒業から20年、最後に会ってから15年、その間一度も連絡を取っていない“同級生”と、どんな会話をすればいいのでしょうか。長い、空白の時間を超えて、あの頃のようにバカ話ができるんだろうか…。

少しためらいながら、夕食後、Kに電話をしました。

「もしもし!」

聞こえてきたのは、少し年齢を重ねた、あの頃のまんまの弾むようなK君の声。その声が聞こえてきた途端、自分の中にあったモヤモヤがすべて吹き飛び、まるでタイムスリップしたかのように、あの頃の自分に戻っていました。

K君は今、地元で高校の教員をしているとのこと。それから約10分ほど、お互いの近況、友人の情報などを交換し合いましたが、とにかく嬉しくて、楽しくて、感慨深い時間でした。

高校を卒業してから約20年。高校時代、共に過ごしたのはたかが1~2年のことですから、二人の間にはその10倍以上もの空白があります。にもかかわらず、一瞬にして“あの頃”に戻れるのは、まるで魔法にかかったかのようです。

生きていると色々な繋がりができ、絆が生まれます。その糸は、切れたと思っていても、どこかでつながっているんですね。

あの頃と変わらぬトーンで電話に出てくれたK君に、感謝。