私の携帯電話には、知人や取引先など、約300件ほどの連絡先が登録されています。これが多い方か、少ない方かはわかりませんが、携帯を使い始めてから約10年、その件数は増え続けています。その中には、今となっては連絡を取らなくなった人も少なくありません。

私の場合、連絡先の半分以上が仕事がらみなこともあって、アドレス帳はすべて「フルネーム」または「正式名称」で登録しています。個人名は「姓+名」の他に、必要に応じて社名なども入れており、「ニックネーム」や「略称」で登録しているものは、一件もありません。

でも、私の周囲を見る限り、几帳面にフルネーム、正式名称で登録している人は、半数程度のように思います。うちの事務所の人間も、半分くらいは愛称やニックネーム、略称で、登録しているようです。

そんな話を妻にしてみたところ、「私なんか、こんな感じだよ」と連絡先アドレスを見せてくれました。

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これはすごい。

フルネーム、正式名称で記入されているものは、ほとんどありません。

「ほりさん」「えっちゃん」「いつき」など、呼び名で書いているものもあれば、「北千住の不動産屋」など説明書きで書いているものもあります。

ちなみに、夫である私の名前は、結婚以前のまま「佐藤さん」となっていました。

「と」のところには、「とも」がいて、「ともちゃん」がいて「ともとも」がいます。「混乱しないの?」と聞くと、「本名で書いている方が、よほど分からなくなる」とのことです。

その他にも「委託」とか「審査」とか、到底連絡先とは思えぬ名詞も並んでいます。連絡先の中には、もはや本人も誰だか分からないものも多いとのことです。

一番笑ったのは「でない」という連絡先です。「これは何?」と聞くと、「かかってきても『出ない』という意味」とのこと。着信があって「出ない」と表示されたら、ガン無視するそうです。

こんなアドレス帳、使いにくくないんだろうかと思うのですが、本人によると「特に問題ないよ」とのこと。どんな脳みそをしているんだろうかと、感心してしまいました。