4月に入り、あと1週間もたたないうちに新学期が始まります。多くの学校では、新年度に向けた学級編制、時間割づくりなどが進み、各先生方も受け持つクラスが決まって、子どもたちの名前覚え、「学級開き」の準備、学級通信の作成などに追われていることでしょう。

一方で、被災地の学校は、それどころではない状況が続いています。一部の教育委員会では、4月1日の辞令により異動が決まった先生を、一時的に前任校と兼務させることで、子どもたちへのケアに当たっているとのことです。

学校にとっては、ある意味で最悪のタイミングで起きた震災だったなと思います。

おそらく、残りの授業、カリキュラムを消化できないまま、子どもたちを進級させた学校も多いことでしょう。あるういは、新年度も最初のうちは、例年通りのスピードでは進めていけないかもしれません。カリキュラムの未消化が起こるかもしれませんし、表面上は消化できたとしても、十分な定着を確認できないままとなってしまうこともあることでしょう。

被災地以外から、何らかのフォローが必要なことは言うまでもありません。こんな時こそ、国(文部科学省)がリーダーシップを取って、さまざまな障壁を乗り越え、先生方、そして子どもたちを支援してほしいものです。

そんな風に、被災地の子どもたちの将来を心配してしまう一方で、きっとこんな状況下を乗り越えた子どもたちは、強く、たくましく、やさしい心の持ち主に育っていくだろうなとも思います。不自由な生活の中で、自分の頭でよく考え、目標をしっかりと持って生き、他人を思いやることが、より良く生きていくために必要なのだと肌で感じることができれば、きっとその子の未来は明るいはずです。

被災地の先生、保護者の方々の中には、体制が不十分な学校教育の状況を心配している人も少なくないでしょう。でも、子どもの未来を決めるのは、勉強や学力だけではありません。これからの社会を生きて行く上で、必要不可欠な人間力(これを「生きる力」というのかもしれません)を培う上で、子どもたちは今、またとないチャンスと向き合っているはずです。どうか、悲観的にならないでください。

被災地の子どもたち、そして先生方、保護者の方々に、心よりエールを送りたいと思います。がんばれ!