最近、めっきり本を買わなくなりました。

理由は、とにかく妻がものすごい勢いで本を読むもので、その「おさがり」がとめどなく流れてくるもので、買わずとも不自由しないからです。まあ、おこづかい制になって書籍代を自主的に仕分けたからという理由もあるのですが・・・

そんな私が、久々に自分の小遣いをはたいて(ブックオフで)買ったのが、井上靖の「氷壁」。いわずと知れた名作で、ずっと読もう読もうと思っていた作品です。実は、実話をモチーフにした「半ノンフィクション作品」らしいですね。

$TEACHERS ”OFF”LINE-氷壁

率直な感想としては「まずまず面白かった」といったところ。昭和30年ごろの企業文化や男女関係に少々戸惑うところもありましたが、作品の完成度は高く、人がなぜ山に登ろうとするのか、主人公の思いや行動を通じて、大いに心を揺さぶられました

ただクライミングを題材にした作品としての切迫感や描写力は、沢木耕太郎の「凍(とう)」の方が圧倒的に優れていたかな・・・。

ところでこの作品、4年ほど前に玉木宏と山本太郎の主演でドラマ化されているそうで・・・

恥ずかしながら先日ネットで調べて初めて知りました。

でも、舞台設定が古すぎて、今の人には共感が得られないんじゃないの?なんて思ったのですが、やはり現代版に大幅リメークされていて、切断されるのはナイロンザイル」から「カラビナ」に、主人公がアタックする山も「穂高」から「K2」になっているそうです。

いやはや、うまく考えるものですね。でも、ちょっと玉木宏は、かっこよすぎてイメージと違うなぁ・・・。