妻に薦められた大崎善生氏の『パイロットフィッシュ』を読み終えました。
主人公は、月刊『エクレト』というエロ雑誌の編集をしている40すぎの男。物語は、男が20年近く前に付き合っていた女性から電話がかかってくるところから始まって、過去と現在が交互に描かれながら、立体的に展開していきます。
ストーリーは、別に山場があるわけでもなく、起承転結があるわけでもなく、淡々としているのですが、とにかくこの人は、文章がうまいのです。
一つ一つの心情描写が抜群で、さまざまな出来事に直面したときの、主人公の悲しみや迷いなどが、実に巧妙な筆致でつづられています。
誤解を恐れずに言えば、物語の淡白さを圧倒的な筆力でカバーしているとでも言いましょうか。どちらかといえば、東野圭吾氏や宮部みゆき氏のように話がめまぐるしく展開する小説が好きな私ですが、大崎氏の本だけは、退屈な話でも滞ることなく心の中に流れ込んでくるから不思議です。
でも、個人的には前回読んだ『アジアンタムブルー』の方が、圧倒的に好きですし、小説としての完成度も高いように思います。こちらは、読み終わった後、かなり感傷的な気持ちになって、しばらく浮き上がってくることができませんでした。
この『パイロットフィッシュ』と『アジアンタムブルー』は、主人公が同じ人物で、『パイロットフィッシュ』は『アジアンタムブルー』の約8年後が描かれてることになります。
でも、個人的には『アジアンタムブルー』を先に読むことがおすすめかな・・・。
大崎氏は、元将棋雑誌の編集者という変わった経歴の持ち主ですが、なかなか作品は素敵です。皆さんも、よかったらぜひ読んでみてください。
主人公は、月刊『エクレト』というエロ雑誌の編集をしている40すぎの男。物語は、男が20年近く前に付き合っていた女性から電話がかかってくるところから始まって、過去と現在が交互に描かれながら、立体的に展開していきます。
ストーリーは、別に山場があるわけでもなく、起承転結があるわけでもなく、淡々としているのですが、とにかくこの人は、文章がうまいのです。
一つ一つの心情描写が抜群で、さまざまな出来事に直面したときの、主人公の悲しみや迷いなどが、実に巧妙な筆致でつづられています。
誤解を恐れずに言えば、物語の淡白さを圧倒的な筆力でカバーしているとでも言いましょうか。どちらかといえば、東野圭吾氏や宮部みゆき氏のように話がめまぐるしく展開する小説が好きな私ですが、大崎氏の本だけは、退屈な話でも滞ることなく心の中に流れ込んでくるから不思議です。
でも、個人的には前回読んだ『アジアンタムブルー』の方が、圧倒的に好きですし、小説としての完成度も高いように思います。こちらは、読み終わった後、かなり感傷的な気持ちになって、しばらく浮き上がってくることができませんでした。
この『パイロットフィッシュ』と『アジアンタムブルー』は、主人公が同じ人物で、『パイロットフィッシュ』は『アジアンタムブルー』の約8年後が描かれてることになります。
でも、個人的には『アジアンタムブルー』を先に読むことがおすすめかな・・・。
大崎氏は、元将棋雑誌の編集者という変わった経歴の持ち主ですが、なかなか作品は素敵です。皆さんも、よかったらぜひ読んでみてください。