昨日、Yahoo!のトピックにこんな記事が出ていました。

増える2学期制、導入の公立小中が5年で倍(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100414-00000613-yom-soci

私は4年ほど前、『教育音楽』という雑誌に、2学期制のルポを寄稿したことがありますが、このときは「恐らく定着しないだろうな・・・」と思っていただけに、ちょっと意外でした。


中には「2学期制?なんぞや?」と思われる方もいると思いますが、要は1年を3学期ではなく、2学期に分けるということです。当然、通知表も年に2回になります。

夏休みは1学期(前期)の「途中」になり、休み前に通知表はもらえません

1学期の終業式は10月初旬頃になり、その後3~5日程度の短い「秋休み」が入ります。

3学期制が当たり前できた人にとって、こうした仕組みに違和感を覚える人は少なくないでしょう。でも、これを採用する学校は着実に増えてきています。

「なんで、そんなことをするの?」という人もいるでしょうが、要は「授業時間を確保したい」からです。2学期制になれば、終業式の回数や短縮授業が減り、その分を授業に回せるからなのです。

今から8年ほど前に、学校は「完全週5日制」になり、時間割のコマ数は大幅に減りました。それと一緒に、教える内容も減ったのですが、これが「学力低下につながる!」と批判を受け、今度の学習指導要領ではボリュームが増えました。でも、今さら「週5日制」は変えられません。

要は「箱」のサイズが変わらないのに、そこに詰め込む物だけが増えてしまったのです。結果として、各学校が授業時間を一生懸命確保しようと試行錯誤し、その一方策として「2学期制」が注目を集めているのです。

ただ、子どもたちや保護者にとっては、年に3回通知表をもらえる方がいいに決まっています。実際、保護者のそうした声を受けて、3学期制を2学期制に戻した学校もあるようです。

考えてみれば、「学校週5日制」はどちらかといえば教育公務員の労働問題から導入された経緯があり、「学力低下論争」は学校現場より経済界やマスコミ中心に煽り立てられている側面があります。

そんな外野のドタバタに現場が振り回されている、その産物として生まれたのが「2学期制」という見方もできるのでしょうか。「民間人校長」といい、「免許更新制」といい、ここ数年の教育改革はそんなことの連続のように思えます。