タイに行く数か月前、たまたま入ったデパートで、通りすがりに目にしたバッグが素敵で、ふらりとそのお店《マザーハウス》に立ち寄ってみた。
店内をぐるりと見回して、棚に並ぶ数々の革のバッグを見て、なんともシンプルでデザインが素敵でオシャレだなあと、感じたのである。
普段は、滅多なことでは買わない私が、欲しい!!!と物欲にかられたものの、値段が高くてあきらめざるを得なかった。
今タイに行くのに、お金を使っている場合じゃないし...。
その時、話しかけてきた男性店員が、
「全て社長がデザインしたものです。書籍もありますよ。」
その文庫本には『カンブリア宮殿』出演で大反響!!といった見出しとともに、この店の社長と思われる若そうな女性の写真の帯が付いていた。
この人が社長なんだ…、ちなみに私は社長のことは何も、テレビに出ていることすら知らなかった。
《マザーハウス》社長の山口絵里子氏の著作『裸でも生きる』の文庫本が、『25歳女性起業家の号泣戦記』という副題付きでバッグと並んで置かれていた。
男性店員は、「この本に感銘を受けて、入社したんです」と言う。
すると、別の女性店員が、店で置いてあるバッグについても、
「この牛の革で、製作してるんですよ」と写真を見せてくれた。「小柄なタイプの牛なんです。」と言う。
へえ、私達夫婦も、製作販売している商品があるが、実際に制作前の牛の革を見たこともないし、どんなタイプの牛かは知らない。ただ、革のサンプルから本革証明を取っているのみである。
さらに、女性店員が聞いてくる。
「発展途上国に興味があるんですか?」
私の答えは「いいえ」である。「革に興味があって」と慌てて付け足した。
なんとなく、『タイで革製品を製作して販売してます』というのははばかられた。
しかし、一応、同業ということもあり、興味を魅かれた私は、《マザーハウス》でその文庫本を購入し、そそくさと店を出たのだった。
その書籍には、社長の山口絵里子氏が革製品の《マザーハウス》を立ち上げるまでの、半生が描かれていた。
正直、読みだしたら面白過ぎて、数時間で読破してしまった。
夫もまたしかりである。
この若き社長は発展途上国に興味があったのか…。
そして、社長はアジアの最貧国である、バングラディシュで、工場の人達と共に、バッグ作りを始め、それが《マザーハウス》の店舗へと繋がって行くのである。
よくあるフェアトレード的な販売ではなく、競争力のある商品を作って、現地の人達のモチベーションや、正当な賃金で現地の人達の生活にも貢献するということにも拘っている。
この後、私は法事のために立ち寄った仙台の《マザーハウス》で『裸でも生きる2』を購入、
さらにさらに、タイ輸入仲間の忘年会で行った東京で、《マザーハウス》の本店に立ち寄り、『裸でも生きる3』を購入した。
ついでに言うと、夫とその本店で、アジア各国で作られた職人たちのバッグやネックレス、スカーフなどを職人紹介の写真と共に見入ったのであった。
店員さんが、「昨日、社長の山口絵里子が来てたんですよ」と言った。
『残念!! こういう事ってタイミングなんだよねえ』
夫は『いれば、本にサインしてもらえたのにねえ』とがっかりするほど、夫婦して《マザーハウス》の世界観にどっぷりハマってしまったのであった。
そういえば、あそこで、夫は私がとても気に入ったジュエリーの10万円程もするネックレスを
「いつか買ってやる」と言ったのは覚えているかしらん![]()
私達夫婦がタイ輸入を始めたのは、老後の貯えが不安だからとか、サラリーマンで時間に縛られて働くのが嫌だとか、ただ単に革製品が好きだからとか、きっかけはそんな感じであり、とりもなおさず自分達の生活の為である。とてもじゃないが、《マザーハウス》の社長の志には及ばない。
ただ、この書籍3冊を読んで、タイ行きの気持ちがヒートアップし、実際に買い付けに行ったことで、自分達が製作販売しているタイ工場の様子なども見学することができた。
革職人さん一人一人が手作業で製作している様子は、感動ものでした![]()
