人間には「耐用年数」(年齢)があるからさ、どの施設だって、なるべく若くて、手が掛からず、聞き分けが良い障害者が欲しいっていうのはある。

利用者としても。

 

作業所の場合、利用者が作業にも従事するっていう重層的な感じはあるからさ、仕事じゃないとは言え、人事考課的な扱いでモニタリング、担当者会議とかはなされるよ。

 

作業所っていうのは、基本一般社会に比べたら生ぬるくて甘い場所。それだから、車の免許がなくても存在させて貰える。これが一般社会だったら、住宅問題もなく車の問題もクリアしていなければいけないって訳。

 

住宅問題と言うのは大袈裟な言い方だけど、仕事場からの距離を鑑みて部屋を借りるとか。そういう常識的な引っ越しのこと。

あとは車の免許は何が何でも必須。

 

職業的なスキル以前の話にはなってくるし、住居と車のことを何とかできるレベルの基礎体力の更に前提の基礎を築くための場所が、作業所だとも言える。

 

結局、車の免許がない方というのが作業所( β版 )には留まらざるを得ない。その上を目指すとなったら、車の免許は必須だし、職場から通える距離への移動とかも検討しないと行けないから。常識だけど。

 

もちろん、作業所の工賃レベルで教習所行ける水準の稼ぎを得るには、工賃全て貯金したとして10年かかると言っても過言ではないけど、その間にも自分の価値の「減価償却」が必要ってことだから。

 

グループホームに入れるかどうかの、ふるい分けにしても然りで、障害者は障害によって、世の中での配属を選別される機会はただでさえ多いと思う。

 

言っておくけど、作業所出るのには免許不可欠と思ったほうがいい。身を落とすルートに行くならそれでも文句言われないだろうけど、免許のことに関しては無免許で退所して自分の道を探すみたいな理由を述べるのは許されない。相談員や作業所に指される。この場合、税務署、ではなくて。

( 因みに工賃は雑所得。たとえ微々たるもので不要でも、真面目に確定申告はしといたほうがいい。障害査定悪用とか不正受益とか、そういう嫌疑を掛けられる可能性だって常にある訳だから。)

 

教習所さえも、教習所側との面談で「適性がない」と言われて入れない当事者の方と作業所で会ったこともある。

この国は、皆免許制度だと思ったほうがいい。社会に居座るっていうなら。

 

当事者には酷だろうけど。障害克服して何とかして欲しいっていう社会の思いがあるのは分かるでしょ。

ただ、敷地内の模擬道路の実習でさえ事故起こされたらヤバいし、教習所入所も教習所だってそうだし、相談員も作業所も慎重だと思う。

 

作業所側が免許取らせてくれるとか仮に思うとしたら、それは甘えだし、そもそもあり得ないから、自分で何とかして免許は取らないといけない。

それでも本人のためを思って「免許取らないと出ないほうがいい。免許なくても置かせてやっていられるのは、ここの作業所が優しいからだ」と恩は売られるし、そういう指導は受けるよ。

 

工賃10年貯金して教習所入る覚悟もあるかっていうのも評価対象だと思う。もちろんそこまで作業所にいられる資格はないし、その前に追い出されることもあるかもしれない。

社会復帰に10年も要する、なんて問題過ぎやろって。

 

でもたとえ10年貯金したとしても、免許取れるとは限らない。試験受けたり、合格状況によっては追加で教習所に長く留まる必要もあるから。しかも障害者ってことで、習熟にもっと時間もかかるかもしれない。莫大な費用なしには教習所には行けないし、仮に再講習するってなった時、作業所の1ヶ月の工賃で賄うのは無理って話。

( もちろんお勧めはマニュアル車。例えば年に一回でもだけど雪の降る地方なら必須だと思ったほうがいい。)

 

その後も努力は続くし、車の手配。どこでどう工面するかは知らないけど。一般社会でまず、自宅から職場の往復に車貸してもらえるとかあり得ないでしょ。

自分でローン組んで買えって話。それ無理ならカーリース。でもクレジットカード作りはどうする?ってか。

 

要するに、一般社会に出れないのは障害治してクレジットカード持てるレベルにまずなれていないっていうこともある。

 

居場所がどう、とか言っている場合ではないから、急務。

 

テレビとかで言ったら暴動になると思うけど、作業所が障害者の社会復帰に成果上げていないって分かったら、税金の無駄ってみんな思うでしょ。そういうことだよ。

 

それじゃあ作業所にどうやって当事者は通うの?って思うでしょ。従業員が運賃を得て送迎したりする訳。私的なチップ渡すとかじゃなく、作業所に払うお金。運賃払って通所するの。

そして、運賃分は最低限作業所で再訓練のプログラムは受ける。工賃発生要件であるから。

 

結局運賃払えないならば歩いて通えってことだし。作業所に負債作ることになるから。借金作らないように単に再訓練するだけの話だよ。

 

でもこの国は甘いほう。訓練なのに工賃なんて名目で当事者に支払う手間賃のシステム設けているんだから。このシステムさえも非難されるべきなのに。

もちろんこれは税金やない。実際作業した分の収益で、って話だから。そこから引かれるものを全て引いて行って得られるお金だよ。

 

それを貯金して教習所通えっていう意味。歳食った障害者は惨めで、教習所さえも認知能力大丈夫?って訝しがられるから、何とかそこは踏ん張るしかない。でも精神薬投薬歴とかがあって、持病もあって免許取りたいっていうのも交通の邪魔、迷惑だよね。

 

それでも一般社会復帰のための努力は惜しんじゃ駄目だから。年金とか生活保護に可能ならば頼らないべきだし。

言い忘れたけど、これらの受給が可能な場合、グループホームの家賃とか貯金を継続することで教習所代も作れる。生活保護だと教習所代とは言え貯金は無理。