消費者心理とマーケティング-購買前の情報の探索No4-
消費者心理とマーケティング-購買前の情報の探索(Information search)No4-として過去の使用による満足度と情報探索の関係を取り上げます。消費者は商品を購買する際に情報の探索を行うことで購買意図を形成します。過去の使用による満足度の程度は情報探索の程度とも関係があります。
今回はサマリー版を省略します。
1.購買前(Pre-purchase)の情報の探索(Information search)
消費者は商品を購買する際に情報の探索を行うことで購買意図を形成する。
2.情報探索の種類
(1)内部探索(Internal search)
・過去の消費経験など記憶からの情報の探索
(2)外部探索(External search)
・マスメディアや口コミなど記憶以外の情報源からの情報の探索
3.順序
初めに(1)内部探索(Internal search)、不十分な場合は、(2)外部探索(External search)
4.外部探索(External search)の頻度
外部探索(External search)を行うことは消費者の時間や労力などを消費しますので、内部探索(Internal search)で充分なときは内部探索で済ます傾向にある。
5.過去の使用による満足度の程度と情報探索の程度
過去の使用によって満足度が高い場合は次回以降の同一カテゴリーの商品の購買の際の情報探索の程度は減少する傾向にある(Guo, 2001)。
6.具体例
車の購買に当たって、過去の購買による満足度が高いケースではディーラー探索、メディア(CMなど)探索の程度が減少した(Kiel & Layton, 1981)。
7.マーケティングへの応用
(1)顧客満足度を高めることが如何にリピートオーダーにつながりやすいかが分かります。通常消費者が購買する際の考慮対象は3-4社(ブランド)(consideration sets)と言われています。顧客満足度が高いと更に考慮対象が減少することになります。一方、満足しなかった顧客はより多くの競合を考慮対象にします。すると、顧客満足度が高いケースでは2-3社(ブランド)が考慮対象になり、顧客満足度が低いケースでは5-6社(ブランド)が考慮対象になることもありえます。
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主な参考論文
Guo,C. (2001). A review of consumer external search: Amount and determinants. Journal of business and psychology, 15, 505-519.