2-1.脱携帯電話端末から何が派生するか

1.携帯電話端末から分離するモノ
今、携帯電話で物やサービスを購入することが普及してきており、パソコンだけでなく、新たなマーケティングツールとしても、注目されています。
しかし、現行のような小さな画面で、かつ数字ボタンを使って文字を入れるというような決して便利とは言い難い方式が、いつまでも続くとはさすがにお考えではないでしょう。
ここには、間違いなく、近い将来、新しい端末が入ってきます。それはすでに製品としての完成度は低いものの販売され始めているものです。それは、携帯電話程度の重さほどで、大学ノートのように見開きA3で閲覧でき、また曲げられもする「マルチページノートブック(象徴名)」というものです。データは携帯、テレビ、パソコンからの無線でやり取りするものになります。この端末は、段階的に発展していくため、その名称は「マルチページノートブック」というだけでなく、たとえば「電子ニュースペーパー」、「電子ブック」、「電子マガジン」、「電子カタログ」、「電子ノートブック」といった名称が相応しい時期を経ていくでしょう。いずれにしろ基本は軽くて、見開きA3というモバイル性能に加え、手書き機能が加わったり、複数の電子ペーパーが実際の本のように綴じ込まれたりといった発展をするでしょう。軽量化されつつあるミニパソコンもこれに近づきますが、機能を限定し、軽さと見開き形状に焦点を絞った「マルチページノートブック(象徴名)」が先行して、携帯端末にとって代わるネットダイレクトマーケティングツールになると考えられます。
2.ペンギン効果型普及現象
こういった「マルチページノートブック(象徴名)」は、ある時点を境に一気に広がる特性を持つ商品です。それは、大手新聞社が、この端末にニュース配信を始めることから広がってゆきます。新聞社にとっては、こういった端末が一般に普及しさえすれば、印刷コスト、紙コスト、輸送コスト、宅配コストなどのコストを劇的に削減が達成できるというメリットがあります。ただ、その前にこの種の端末が普及していないというジレンマに立たされているだけです。すでにフランスの一部の専門業界新聞社では新聞社自ら、いわゆる「電子新聞端末」を配布したところもあります。また、新聞とは別に書籍やコミックや雑誌の方向から攻めようとしているところもあり、アマゾンコムでは自社開発の電子ブックを販売しています。
いずれにしろ、現時点では爆発的には普及していませんが、確実にある時点で、いわゆるペンギン効果型普及現象が起こることは間違いありません。
※ペンギン効果型普及現象:ファックスがある日突然広がったように、ペンギンが一羽飛び込むと、それに続いて次々と他のペンギンが飛び込むような効果/現象を指します。
ここからは、雪玉のように自然に大きくなりながら転がってゆきます。大手新聞社が「マルチページノートブック(象徴名)」にシフトし始めると、他の新聞社がその端末にシフトします。すると、いわゆる週間紙、月刊誌などもシフトしはじめ、最終的には多くの書籍がマルチページノートブックインターフェースに対応するようになってゆきます。
3.ネットマーケティングの大転換
さて、この端末が普及すると、ネットマーケティングをとりまく様々な状況は大きく変わってきます。
これまでの、SEO対策やリスティング広告というものが、そこではまったく意味をもたなくなる可能性さえあります。
つまり、そこでは新聞や雑誌を読むのであり、そのページの中にある広告が目に入るということになります。パソコンともテレビとも違う、新聞や雑誌特有の能動的受動というべき心理状態で閲覧するため、広告そのものもこれまでの新聞や雑誌やチラシに近い広告形態となります。
※能動的受動 :テレビのように完全に受け身ではなく、パソコンで検索するような明確な目的的/能動的なほど強くはなく、なにか面白いものを探そうという能動的な心理をもった状態
では、これまでの新聞や雑誌同様の方式で通用するのかというとそこには紙の新聞や雑誌とはことなる仕掛けが導入されます。つまり単純に紙の時代のパターンが通用するわけではありません。
例えば、媒体読者のターゲットだけでなく、記事自体のターゲット、閲覧している者の属性、閲覧している時間、読んだ記事の流れ、今見ているテレビ番組などなど、様々な情報が取得できますし、そこの広告スペースは、紙のように固定ではなく、常に上に挙げた条件に応じて変化し、その相場が変動していくようなものになるはずです。
そこには、検索によるSEOやリスティング広告という概念はほぼないでしょうし、それを支配するのは検索サイトではないのです。
あるいは、気付かせる、欲しいと思わせるというようなマーケティングだけではなく、ダイレクトに欲しい物をたずねることや対面販売やカウンセリングできるマーケティングも可能になるわけです。当然ですが、多くの広告はそこにシフトし、その方式も多様化し、また大画面テレビや携帯電話など他メディアとよりシームレスに連動するでしょう。
そのとき、いわゆる従来の携帯やパソコンへの広告は、今と比べて、かなり色褪せているでしょう。

2-2.自宅パソコン端末から何が派生するか

自宅のデスクトップやノートブックのパソコンも変化し、大きくは3つのタイプに分かれていくと考えられます。
4.マルチページノートブック(象徴名)型
上で挙げた「マルチページノートブック(象徴名)」が新聞、雑誌、チラシに置き換わります。テレビを見ながら、膝の上にこの「マルチページノートブック」を抱えていることは不思議な光景ではありません。テレビの双方向化にともなって、テレビ本体で情報をやりとりするだけではなく、この「マルチページノートブック」がやりとりの窓口にもなるでしょう。テレビ放映される広告を詳しく見たり、出演者の衣装を確認したり、注文したりするのは、テレビ本体だけでなく、この「マルチページノートブック」も主要な端末として活用されるでしょう。
5.大画面テレビ無線コントロール型
一方、「マルチページノートブック」といった手元にあるメディアとは別に、大画面テレビは「現在のパソコンの機能を取り込んでいくもの」と、「パソコンから無線コントロールされるモニター特化型のもの」とに二極分化していくと思われます。パソコン側の商品ライフサイクルが短いことを考えると、テレビ側がパソコン機能を取り込むタイプではなく、モニターに特化したものが生き残ると予想されます。
その時パソコン側は現行のノートブックの形を大きくは変えず、大画面テレビのモニターと無線連動し、大画面テレビをコントロールするタイプのものが中心になると思われます。
大画面を使って、デジタル放送を見ることを初めとして、インターネットサイト閲覧、ネット動画番組閲覧、写真やビジオの閲覧、カラオケコラボ、ゲームコラボ、学習塾など、すでに現在パソコンや家庭用ゲーム機で実現されているものがさらなるインタラクティブ化、マルチコミュニケーション化(複数人と同時に会話やコラボできる)し、一般家庭に普及していくことになります。マーケティングでいえば、「対面販売動画会話」といったものも出現してきます。
6.オフィスタイプマルチページノートブック型
これは、以下に説明する「オフィスパソコン端末」に強い影響を受け、価格の低下とともに、オフィスからホームに浸透していきます。

2-3.オフィスパソコン端末から何が派生するか

1).オフィスタイプマルチページノートブック型×n冊は常識になる
現在のように、一つや二つの画面だけで、これまでの紙の資料なしで作業ができますか?手書きのようにスピーディに自由に絵、アイデア、図、フローを描けますか?
もちろん、いまのPCではそんな配慮はありません。紙を無くして作業するためには、個々人ごとに、先ほど挙げた「マルチページノートブック」が複数冊数あるような環境が必要となります。
仕事をより効率的に違和感なく、進めようとするならば、4~5枚の複数資料を同時に机上に並べて見比べることができ、そこに手書きで書き込めるという、紙では当たり前のことが、当たり前のようにできるようなPCでなければならないのです。もちろん、そのようなことは今の技術でも十分可能です。ただ、コストが合わないため、そういう端末が作られていないだけの話で、それは、近い将来確実に実現されます。コストの問題、重さの問題、バッテリーの持ちの問題だけが残されているだけです。
2).遠隔会議の本格化
このような「オフィスタイプマルチページノートブック型×n冊」の出現があって初めて、遠隔会議が本格的に普及するでしょう。普通に人が集まって行う会議にように、複数資料を机上に広げてやりとりすることは、会議をする上で必然なのです。相手の顔が見える端末があるというだけでは、電子会議へとは進んではいけないのです。
こういった複数資料の同時閲覧、手書き書き込み、メモや資料のリアルタイム共有、会話相手の複数化などのためのハードとソフトが同時に出現してゆきます。
こうなると、会議参加者は、遠隔会議室といった特別室にこもってやる会議ではなく、それぞれがパーティションを備えた自席または近くの会議ボックスで会議が始められるというものになります。
3).新ビジネス向けサービスの出現
こういった端末環境には、ネットを介してさまざまなビジネス向けサービスが参入してきます。すでに世界は言葉の壁を越えてコラボーレーションしなければならない時代に入っていますが、この会議のオプションには、リアルタイムで同時通訳するインタープリターやトランスレイターをアサインするサービスが組み込まれてくるでしょう。その他にも、契約書の作成や議事録の作成などのサービスなどさまざまなサービスビジネスが参入してきます。


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