最近僕たち20代の価値観と上司にあたる40代、50代の価値観を表した興味深い本を読んだ。
私たちの価値観は10代の時に見たり、聞いたり、読んだり、経験したりしたことに強く影響を受け形成されている。
その本は、私たちの価値観は10代のころによく見たり、読んだり、話題として話したマンガに強く影響を受けているということを仮説として立て、書かれていた。
紹介してみたい。
今の40代前半から50代前半に当たる人たち。
それは10代のころ、機動戦士ガンダムに強く影響を受けてきた世代である。
そんな彼らをガンダム世代と呼ぶことにする。
一方、今の20代前半から30代前半の人たちは、10代の頃ワンピースに強く影響を受けていた世代である。
彼らをワンピース世代と呼ぶことにする。
もちろん、現在もどちらの漫画も人気があり幅広い世代の人々に読まれ、影響を与えている。
今回このように定義をする理由は、今の20代と40代が「2つのマンガが打ち出した世界観を最初に感じた世代である」からである。
ここでかなり簡単ではあるが、2つのマンガの世界観を記しておく。既に知っている人は飛ばしてもらっても構わない。
「機動戦士ガンダム」
登場人物は地球連邦軍かジオン公国軍のどちらかに所属する。主人公のアムロ・レイは地球連邦軍に所属しているのだが、この組織は“かなり腐りきった組織”という設定である。
組織という「タテ社会」の人間関係の中で生きているアムロは組織内部の様々な矛盾と葛藤しながらも地球連邦の立場で戦って行く。
主人公アムロと対峙するジオン公国軍には、シャアというもう一人のヒーローがいる。彼とアムロは互いに認め合い、惹かれ合い、一時は共闘するのだが、最後には各々の所属する陣営で敵同士として戦うという枠組みに戻ってしまう。
必ずしも善でない地球連邦軍と必ずしも悪とは言い切れないジオン公国軍との戦い。
つまり組織という「タテ社会」の中で、組織のために「善」とは言い難い行動を、良しとして生きていくという世界観が表現されている。
「ワンピース」
主人公であるルフィはガンダムの登場人物と違い、どこかの組織に所属するわけではない。「麦わら海賊団」という組織があるにはあるが、組織の理論(上からの命令系統)で行動するわけではない。
集まってくる仲間たちも、ルフィを「上」の存在だと考えるのではなく、よくいえば「フラット」、もっといえば、誰もがそれぞれの分野で一番「上」だと考えている。(世界一の剣豪、コックなど)
“各々に役割がある個性”の集まりである。
また、ルフィの海賊王についての考え方を表した語録として、「支配何かしねェよ、この海で一番自由な奴が海賊王だ!!!」がある。
つまり「仲間」という「ヨコ社会」を大切にし、そこに所属するそれぞれが個性を発揮し、「自由」を目指し生きていく、という世界観が表現されている。
今の40代、20代はそれぞれの世界観から形成される価値観に近いものとなっているというのである。
40代、50代にあたるガンダム世代。
自分たちが社会人となる頃の現実社会は、ガンダム的世界観と類似していたという。
世界はいくつかの陣営に分かれ、自分はそのどれかに属している。それはどこかの企業、組織、派閥に属しているということであり、自分は自分が属する組織のために行動しなくてはならない。
そこのリーダーは一見大義を持って人々に上に立っているように思われているが、その本質は激しい権力闘争を勝ち上がって来た勝者である。
そして組織はいたるところで腐っている。その一方で中には尊敬に値する人物もいたるところに存在する。しかし、その人物が組織の中で必ずしも高い地位を得ている訳ではない。
そのような組織であるが、自分の所属する組織を守らなければならない。組織を守るためには時として、間違った行動も取らなければならない。それは正当化される。
組織のために誰かが犠牲にならなければならないことが当然ある。それが自分だったり、盟友だったりする。
このような世界の中でもがきながら生きている。
つまり、このような人生観を持って矛盾に満ちた現実社会を生きてきたのが、今のガンダム世代である。
我らワンピース世代
第一に、彼らが10代の頃、携帯でコミュニケーションをとることが日常になった時期に当てはまる。新しいコミュニケーション手段を用いて、日常的に友人たちと無数のコミュニケーションをとる。つまり、仲間に対するコミュニケーションについては非常に高い能力を有するようになった。。これは今までの世代にはなかった行動規範である。
このように書くと、この世代を抱える上の世代の人々は「今の若いものはコミュニケーション力なんて高くない!」と感じるかもしれない。
これがワンピース世代の第二の特徴である。「公」と「私」を明確に使い分けるのである。職場の同僚は「公」であり、仲間は「私」に分類される。そしてどちらが重要な軸かと言えば躊躇なく「私」が「公」より優先される。
だからこの世代は社会人になって3年で別の会社に転職する。組織に属するということに重きを置いていないからである。
つまり、気の置ける仲間と密にコミュニケーションを取りながら、仲間と共に何にも縛られない自由をめざすという人生観をもち生きているのである。
これは青年期に体験した出来事が深く影響を与えている。
阪神大震災、9.11同時多発テロ、イラク戦争、先日の大震災。このような人間の命の尊さ、また残るものは人と人との絆であって、名誉や権力でないことを無意識のうちに学んできた世代である。
組織にはいろいろと意味のないルールが氾濫している。それにいちいち従うことはない。本当のルールは自分で考えて判断し行動することだ。自分がどう感じるかが重要であり、仲間がどう感じているかが大切なのだ。ルールや社会のために自分が犠牲になる必要は全くない。自分が犠牲になることがあるとすればそれは唯一仲間のためだ。
このような人生観を持ちながら、この現実社会を生きている。
「タテ」の軸に重きをおき、生きているガンダム世代
「ヨコ」の軸に重きをおき、生きているワンピース世代。
現在ほとんどの人がどこかしらの会社に就職し、働いている。つまり会社という縦の組織に属している。
そこには2つの全く違う価値観、人生観を持った二つの世代が存在し、、ひとつ空間の中で一緒に暮らしている。そこには様々な苦悩やストレス、不満が存在している。
うまくコミュニケーションをとっていく上でこの違いを理解しておくことは大事かもしれない。
ガンダム世代は組織のために何が出来るか、
ワンピース世代は、いかに自分の人生を楽しく、自由にするか。
「会社や組織のためにすることが、自分のためになる」のではなく、
「自分の人生を楽しく、自由になるためにすることが組織のためになる。」
そんな会社や、組織に属している人、またはそのような環境を提供している組織が今後注目を集めていくのではないか。
そんなことを考えさせられた本であった。
長らく読んでいただきありがとうございました。
私たちの価値観は10代の時に見たり、聞いたり、読んだり、経験したりしたことに強く影響を受け形成されている。
その本は、私たちの価値観は10代のころによく見たり、読んだり、話題として話したマンガに強く影響を受けているということを仮説として立て、書かれていた。
紹介してみたい。
今の40代前半から50代前半に当たる人たち。
それは10代のころ、機動戦士ガンダムに強く影響を受けてきた世代である。
そんな彼らをガンダム世代と呼ぶことにする。
一方、今の20代前半から30代前半の人たちは、10代の頃ワンピースに強く影響を受けていた世代である。
彼らをワンピース世代と呼ぶことにする。
もちろん、現在もどちらの漫画も人気があり幅広い世代の人々に読まれ、影響を与えている。
今回このように定義をする理由は、今の20代と40代が「2つのマンガが打ち出した世界観を最初に感じた世代である」からである。
ここでかなり簡単ではあるが、2つのマンガの世界観を記しておく。既に知っている人は飛ばしてもらっても構わない。
「機動戦士ガンダム」
登場人物は地球連邦軍かジオン公国軍のどちらかに所属する。主人公のアムロ・レイは地球連邦軍に所属しているのだが、この組織は“かなり腐りきった組織”という設定である。
組織という「タテ社会」の人間関係の中で生きているアムロは組織内部の様々な矛盾と葛藤しながらも地球連邦の立場で戦って行く。
主人公アムロと対峙するジオン公国軍には、シャアというもう一人のヒーローがいる。彼とアムロは互いに認め合い、惹かれ合い、一時は共闘するのだが、最後には各々の所属する陣営で敵同士として戦うという枠組みに戻ってしまう。
必ずしも善でない地球連邦軍と必ずしも悪とは言い切れないジオン公国軍との戦い。
つまり組織という「タテ社会」の中で、組織のために「善」とは言い難い行動を、良しとして生きていくという世界観が表現されている。
「ワンピース」
主人公であるルフィはガンダムの登場人物と違い、どこかの組織に所属するわけではない。「麦わら海賊団」という組織があるにはあるが、組織の理論(上からの命令系統)で行動するわけではない。
集まってくる仲間たちも、ルフィを「上」の存在だと考えるのではなく、よくいえば「フラット」、もっといえば、誰もがそれぞれの分野で一番「上」だと考えている。(世界一の剣豪、コックなど)
“各々に役割がある個性”の集まりである。
また、ルフィの海賊王についての考え方を表した語録として、「支配何かしねェよ、この海で一番自由な奴が海賊王だ!!!」がある。
つまり「仲間」という「ヨコ社会」を大切にし、そこに所属するそれぞれが個性を発揮し、「自由」を目指し生きていく、という世界観が表現されている。
今の40代、20代はそれぞれの世界観から形成される価値観に近いものとなっているというのである。
40代、50代にあたるガンダム世代。
自分たちが社会人となる頃の現実社会は、ガンダム的世界観と類似していたという。
世界はいくつかの陣営に分かれ、自分はそのどれかに属している。それはどこかの企業、組織、派閥に属しているということであり、自分は自分が属する組織のために行動しなくてはならない。
そこのリーダーは一見大義を持って人々に上に立っているように思われているが、その本質は激しい権力闘争を勝ち上がって来た勝者である。
そして組織はいたるところで腐っている。その一方で中には尊敬に値する人物もいたるところに存在する。しかし、その人物が組織の中で必ずしも高い地位を得ている訳ではない。
そのような組織であるが、自分の所属する組織を守らなければならない。組織を守るためには時として、間違った行動も取らなければならない。それは正当化される。
組織のために誰かが犠牲にならなければならないことが当然ある。それが自分だったり、盟友だったりする。
このような世界の中でもがきながら生きている。
つまり、このような人生観を持って矛盾に満ちた現実社会を生きてきたのが、今のガンダム世代である。
我らワンピース世代
第一に、彼らが10代の頃、携帯でコミュニケーションをとることが日常になった時期に当てはまる。新しいコミュニケーション手段を用いて、日常的に友人たちと無数のコミュニケーションをとる。つまり、仲間に対するコミュニケーションについては非常に高い能力を有するようになった。。これは今までの世代にはなかった行動規範である。
このように書くと、この世代を抱える上の世代の人々は「今の若いものはコミュニケーション力なんて高くない!」と感じるかもしれない。
これがワンピース世代の第二の特徴である。「公」と「私」を明確に使い分けるのである。職場の同僚は「公」であり、仲間は「私」に分類される。そしてどちらが重要な軸かと言えば躊躇なく「私」が「公」より優先される。
だからこの世代は社会人になって3年で別の会社に転職する。組織に属するということに重きを置いていないからである。
つまり、気の置ける仲間と密にコミュニケーションを取りながら、仲間と共に何にも縛られない自由をめざすという人生観をもち生きているのである。
これは青年期に体験した出来事が深く影響を与えている。
阪神大震災、9.11同時多発テロ、イラク戦争、先日の大震災。このような人間の命の尊さ、また残るものは人と人との絆であって、名誉や権力でないことを無意識のうちに学んできた世代である。
組織にはいろいろと意味のないルールが氾濫している。それにいちいち従うことはない。本当のルールは自分で考えて判断し行動することだ。自分がどう感じるかが重要であり、仲間がどう感じているかが大切なのだ。ルールや社会のために自分が犠牲になる必要は全くない。自分が犠牲になることがあるとすればそれは唯一仲間のためだ。
このような人生観を持ちながら、この現実社会を生きている。
「タテ」の軸に重きをおき、生きているガンダム世代
「ヨコ」の軸に重きをおき、生きているワンピース世代。
現在ほとんどの人がどこかしらの会社に就職し、働いている。つまり会社という縦の組織に属している。
そこには2つの全く違う価値観、人生観を持った二つの世代が存在し、、ひとつ空間の中で一緒に暮らしている。そこには様々な苦悩やストレス、不満が存在している。
うまくコミュニケーションをとっていく上でこの違いを理解しておくことは大事かもしれない。
ガンダム世代は組織のために何が出来るか、
ワンピース世代は、いかに自分の人生を楽しく、自由にするか。
「会社や組織のためにすることが、自分のためになる」のではなく、
「自分の人生を楽しく、自由になるためにすることが組織のためになる。」
そんな会社や、組織に属している人、またはそのような環境を提供している組織が今後注目を集めていくのではないか。
そんなことを考えさせられた本であった。
長らく読んでいただきありがとうございました。
