とある橋がある。

 

全長200mほどで半世紀ほど経過した橋梁。

数年前から耐久性に不安を抱え、応急として交互通行としている。

信号機やバリケード等の仮設工事は数年前からうちの会社で行っているところで、

元施工は存在しない会社(過去に倒産)である。

 

この橋の架替えの5カ年計画の1段階目の工事がこの度公告され、

本橋の外側に仮橋を設置し、取付道路を通行させるところまでの工事となる。

議会案件にできないという発注者側の都合からこの工事は2つに分けられ、それぞれ分1、分2工事とされた。

分1は片岸から120m、分2はもう片岸から80mに加え、工事用道路が付けられている。

金額が大きいのは分1であり、分2は数字が小さい上に工事用道路があり、下を流れる河川の水替工を含むため

雨量が増えると警戒が必要となるため分1を希望したい。

 

ご存知のように談合が行われる工事においては元施工が優先される。

今回、元施工がいないことからこの橋に以下に関わってきたかが重要なポイントとなる。

当社としては緊急工事としての対応と片通等の仮設対応を長く行ったという主張で

分1を希望し、地元建設業協会役員たちの了解を得ている。

さらに発注者である土木事務所長からの受注希望も受けている。

(大概の場合、発注者は談合を理解しており、受注してほしい会社が頭にある。その理由としては

大きい工事になればなるほど工事を問題なくすすめられるかどうかが大きい。)

 

騒動はここから始まる。

Y社が分1を希望してきたのだ。

そこで話し合いの場が数回設けられたが話し合いは一向に平行線。

Y社の主張はこうだ。

「この橋梁工事の優先権はそちらにあることは理解しているが、複数回にわたって発注されるので、

今回うちに分1行かせてくれれば今後の工事は一切手を挙げない」

何様だ。ふざけんな。この会社は今までの経験上、今後手を挙げない保証などない。

なんの関連もないY社が業界のルールを無視して突飛のない主張をしてきたわけだ。

 

事の顛末から話しておくと、

結局Y社の主張を受け入れ、当社は分2を落札。

突飛のない主張を受け入れた形となった。

 

どうしてこうなったのか。

 

省略したが今後の戦略を含めいろいろな理由がある。

協会役員がこの件にあまり絡みたくなかったということと、

当社が地元建設業協会の支部長会社であるということも一因だ。

 

今回の工事でのことのようにY社との小競り合いは年中無休。

一定以上の規模の工事となると地元ではこの2社しか工事ができない(施工力の問題)ので

常にぶつかり合い、騙し合い、嘘をつき、相手を貶める。

とてつもなく健康的な関係で反吐が出る。

 

今回は尻すぼみになったが、

次回はゼネコン営業の仕事内容に関して詳しく書き連ねて行きたいと思う。

 

 

 

※このブログはあくまでフィクションである。