ここのところ営業部内が騒がしい。
営業部内と言っても営業部付きの副社長(縁故)、課長A(元議員秘書)、課長B(縁故)と私の4名がそれを構成する全てだ。
まず、ざっと営業部内・外のメンバーを紹介しようと思う。
現在の社長は2代目で70代半ばであり、その甥に当たるのが副社長。社長は地方の協会長や全国の会長を歴任する業界では名の知れた存在で、業界紙ではしばしば見かけるし、カリスマ性もある。
社内での立ち振舞は、歳は違えど兵庫県知事の斎藤某と同じようにハラスメントの集合体だ。
まあ、あの歳でこの状況に身をおいていれば仕方ないといえば仕方ない。
そんなカリスマを叔父に持つ副社長だが、当然のように頭が上がらない。というより怖くて常に社長の動向を気にしているだけの存在。私より10ほど年上で、営業部メンバーの中では唯一私より勤務年数が長い。
ロスジェネ世代であり、都市部で某ハウスメーカーの営業をしていたが続かず叔父に泣きつき入社。叔父は叔父で子供は娘が一人であるため後継者として想定していたのだろう。
課長A・Bともに年上の上司ではあるが勤務年数的には後輩に当たる。
課長Aは私の席の隣でいつもいびきを掻いている。たまにPCを動かしているなと思うと、WEB漫画かゲームのどちらかだ。
3人兄弟の3男で、当人を含め兄弟は全員独身。小太り薄毛メガネ。休みの日には漫画喫茶に入り浸っているらしい。
人を不快にさせる天才だが、PCに強く上層部の受けはいいため、この冬昇進予定。おもに市町村・国の入札、NEXCO対応。話し合い(談合)。
課長Bは物腰柔らかく、誰とでも打ち解けられる性格で主に役所対応をしており予定価格を掴む役割。
もともと大手ゼネコン役員だった父親が当社に顧問としてくるようになり、そこからの縁故入社。
AとBは歳が近く(Aが1,2歳上)性格上合わない。おもに市町村・県の入札、予定価格の聞き出し役、ゴルフなど業界関係者との付き合いもある。
その他、週に2日だけ出勤する会長がいる。
もと土木部で、部長、専務、会長と縁故ではないにも関わらず登りつめた現場叩き上げだ。
歳は社長よりいくつか大きく、先代の頃からの人間で、上層部に取り入ることがうまく、
現場叩き上げにも関わらず現場の人間からは信用が薄い。
以上のようなメンバーがここのところ非常に騒がしい。
というのも、話し合い案件が重なっているからだ。
地元で常にぶつかり合う犬猿の仲であるY社にみんな腹を立てている。
Y社役員で談合担当者をどうやって殺すかを子供のように営業会議で話したりもする。
Y社は歴史はうちよりも古く、大正時代創業。
バブル前は地元で1番の会社だったが、バブル崩壊後はうちにお株を奪われた形だ。
こういったことからプライドが無駄に高く、後進のうちに対してやたらと張り合ってくるし、
妨害行為も多く、お互い天敵と言える。
具体的に話し合い内容はまた次回。
※この内容はあくまでフィクションである。