日本中に鬱憤が溜まっている。オリンピックを開催しようとありとあらゆる矛盾が生み出され、如何にせんともどうにもならなく途方に暮れ、どこにぶつけていいやらわからぬ苛立ちがマグマのように沸き立っている。

 

 国民は行き場の失った腹の煮え繰り返る思いをぶつける場所を探している。屈折した感情を解放する機会を今か今かと待ちわびている。

 

 少しでも早く楽になりたい、早く私を救ってくれ。悲嘆に涙滂沱して、叫び声を上げたいのだ。喪失感、やり場のない気持ちを抱えて既に疲労は極地に達した。

 

 どことなく弛緩した雰囲気の中に張る緊張感。もう嫌だ。破局が恋しい。カタストロフィーこそが我々を救う唯一の手段なのだ。破局は張り詰めた空気を立ち所にぶち壊し、平和をもたらすであろう。

 

 兎にも角にも破局を起こさなければならない。ないなら探そう。どんな些細なことも針小棒大に書きたてよう。信じるものは救われる。何度も書いていれば棚ぼたのように破局が訪れる気がしてくる。

 

 行き当たりばったりだと笑ってくれるな。何をしようにも変えがたいこの社会。目に見えぬ悪魔が我々を縛り付けているのだ。自分本位で何が悪い。ただ、快感が欲しいだけなのだ。

 

 

 今の日本のこの空気、実に危険である。用心されたし。我々が敗戦と思っているものは、実は開戦の合図であるのかもしれぬのだから。