母はいつも横向きに寝て窓の外を見つめている。
きっと早く退院したいんだろうと思う。
点滴も外れ、酸素吸入も必要無くなった。 血液検査の数値も良いので、主治医が現状を伝えて施設の受け入れ態勢を確認中だ。
けど息子として気になるのは、母の元気の無さだ。 とにかく食べる量が少ない。 声に力が無い。 眠っていることが多いと気になることばかり。
病院の晩ご飯。 お粥にみじん切りにしたオカズ、栄養補助剤。
母はそれぞれ2口食べただけだ。 なだめすかしてもっと食べさせようとするが、「もうお腹いっぱい、ご馳走さん」と言われると、可哀想でついスプーンを置いてしまう。 一番よく食べてくれたのは僕が持ってきたキュウリの糠漬けだった。
家で餅つきをやろうと考えてると言ったら、母の目が輝きだした。 昔、父と餅つきをしたのを思い出したようだ。

