伊勢神宮内宮に滝祭神(滝祭りの神)という小さな祠(ほこら)があります。
御手洗い場のすぐ隣です。内宮の遷宮という表に現れた大きな20年の一回の行事の陰で、実はこの祠は、1300年ほど前に伊勢神宮が創建される前から、五十鈴川の水の神様としてその土地に鎮座してきた神様の祠です。
ある神宮研究の学者のお話では、伊勢神宮では、この神様を天照大神と同等である如くに食事を差し上げ、崇め祀っているとのことです。私は、ここにこそ伊勢神宮の物言わぬ深さ、床しさ、気高さの伝承があるように思えるのです。
天孫降臨を、外部から日本に入ってきた民族の日本支配の歴史を神話に仮託したという説もあるようですが、もしそうだとしても、伊勢の地でずっと以前から息づいてきた地に祠を建てて、その神様を、一千三百年間、変わりなく尊重する心こそ、「勝てば官軍」の明治維新以来の日本の西洋化とは違う、往昔からの日本の「和」の心があるように思えてなりません。
それは、朝鮮半島に伊勢神宮の末社を建てて遙拝を強制したあの傲慢日本の、力ずくで相手の文化の根底を断ち切るあの暴力的、過去の軍国主義とは天地雲泥の差があります。
伊勢内宮は今年の10月の遷宮を前に、既に新しい社殿は完成しています。新しい社殿と成る金色輝く建物の屋根に、朝日が射し昇りました。
蘇生元年、平成25年の夜明けです。
山ちゃんより