前回あらすじ:R&Dゲストハウスで顔の腫れのひきを待っていた私。
ブッタフラワーが降ってきて、大いなるものの、声を聴いた。
家族、家、財産、信用。大切なものを全て無くしたと感じた。
うつむいて歩いていた自分。傷ついた心。死ねなかった自分。
優しい色のブッタフラワー、メコンに沈む夕陽、ジョージの言葉
朝の冷たい水で顔を洗っても、もう痛まない。
4日間いた。もう、出発の時だ。何処へ?分からない。

「求めさまよう者は、見つかるまでさすらうのだ。」

バスターミナルに行って、その日の内に行ける所にしようと決めていた。
出発しようとするバスが目に入った。何も考えずに乗り込んでいた。
車窓から、朝の涼しい風。私の今迄のアジアの彷徨いが白昼夢の様に
蘇る。タイ、カンボジア、ベトナム、ラオス。
風を横顔に受けて、今自分の心の位置が分かった。
白昼夢は、終わったのだ。今、ここにいる、自分を実体験した。

バスは小さな集落や何も無い道端で客の求めに応じて停まった。
昼を過ぎ、まだバスは走っている。何気に車内を見渡して見ると、
私と同じバックパッカーばかりいた。
ふと、時計を見た。2時を指している。ラオスとタイの時差は知らない。
知る必要もなかった。ケツが痛くなり始めた頃、最小単位の街と呼べる
所に着いた。隣の毛唐にここはどこだと聞いた。バンビエン
ファイナル、バス、ストップ。
天の配剤を感じる出来事が待っているとも知らずに私は降りた。つづく