50歳に入り、今から約3年前、ある出来事をきっかけに、うつ病となった。
元々、母親がうつ病持ちで、入退院をしていたのを見ていて、自身も30代の頃に患ったことがある。だから、心療内科に通うことも投薬されることにも、まったく壁はなく、今回も時間が経てば、治るだろう、と考えていた。
ところが、今でも、である。長い。つらい。苦しい。
50代のうつ病患者が多いのは聞いていたが、さすがに、この年齢での再度の仲間入りは、きついものがある。
初めてうつ病になった30代のときは、結婚はしていたが、子供はおらず、いつでも仕事を辞めて転職だって可能だったろうし、教育費も住宅ローンもいらなかった。
ところが、今は、子供二人(まだ義務教育もいる)、ローンは80歳まで、この年での転職などは非現実的である。
そんな事が頭の中にあるから、思考パターンは、どんどん悪い方悪い方へ。仕事を失ってしまう。家のローンは払えない、教育費は払えない、家族が路頭に迷う。考え出したら止まらない。
すると実際に、会社での立ち振る舞いにも影響が出て、悪循環。本来出来ていた仕事でもミスを連発。部下からの質問にも、自信を持って答えることが出来なくなり、自分基準での判断が怖くなる。ビクビクしながら仕事をして、周囲の視線を気にして。
以前は少しは仕事に自信を持っていたが、簡単に自信は崩壊。
そもそも、この年になって転職スキルを養ってこなかった自分が悪い、自分磨きをしていなかった自分が悪い、会社の雰囲気が悪いのも、この年齢で会社にしがみついている自分がいるからだ。たまたま今まで運が良く、給料をもらえただけであって、今はその価値すらない。でも会社に行かなくてはいけない。
もはや、会社にしがみつく、無能なおっさんでしかない自分は、生まれてきたことがいけないのだ。
と、言っても死ぬ覚悟もない。出来ることと言えば、毎日同じ事を考えて、ストロング系の酒を3缶飲み、思考をストップさせて、寝逃げすることだけ。
これではいけない、と思いながら、変われない。唯一の趣味であった筋トレも辞めてしまい、今まで来ていた洋服が大きすぎるようになってしまった。
そんなおっさんが、サウナと出会い、少しだけ光が見えているようで、見えていない話を、自分のために残してみよう、と思う。