人目が少ないベンチに移動し、最初は買ってもらった暖かい飲み物を口にしながら喋っていた。

 

 

「そういえば都ちゃん、髭苦手って書いてなかった?」

プロフに書いてたのを覚えていてくれたらしい。

仁さんなら「嫌なら寄ってこなくていい」で済ましそうなのにちょっと可愛いなと思った。

 

 

「うん、そういうおしゃれ髭なら大丈夫かな。体毛が全体的に濃い人は苦手。」

 

 

キスしたらチクチクしたりサワサワしたりするのかな。

 

 

「試してみる?」

 

 

「え?」

心の声にしたと思っていたけど口に出していたらしい。

 

 

「うん。」目をつぶると私より大きめで弾力のある唇が私の口先に触れて、髭の感触も唇の上に降りてきた。

 

 

伸ばして切りそろえているからか、チクチクはしなくてメイク用のフェイスブラシが当たっている感触に近かった。

 

 

「どう?」

 

 

「少しくすぐったいかも笑 けど嫌じゃないよ。」

 

 

そのあともキスは続いた。髪の毛も優しく撫でられる。大きな手が気持ちいい。

可愛がり慣れている感じが安心した。気持ちがよかった。

 

 

たまに人が通る気配で唇を離す。

いなくなるとまたする。

 

 

髪を撫でる手とは反対の手が膝を撫でながら少しづつ上にあがってくる。

ストッキング越しのさらさらとしたフェザータッチが感度を上げてくる。

 

 

たまに人が通る気配で手が離れる。

いなくなるとまた再開。

 

 

私の膝は勝手にだんだんと開いていった。

下着とストッキング越しに股の間真ん中の線をカリカリと優しく引っ掻かれると身もだえた。

 

 

「ん?気持ちよくなってるの?」淡々とした少し冷たいトーンで聞かれる。

見上げると目は嬉しそうだった。

 

 

「うん…気持ちいい。もっと可愛がってほしい。」

 

 

この人にはこうストレートに伝えるのがきっと一番いい。

 

 

ストッキングの中に手が入ってくる。そしてずらした下着の中へ。

 

 

「すごいよ笑」

 

 

「だって…」

 

 

程よい太さの細長い指が中の壁をなぞって押してくる。

私はほとんど彼に抱き着いて、顔を彼の方に埋めていた。

いつ人が通るか分からないことへの警戒は全部彼に丸投げして、快感に浸りたかったから。

 

 

「ぁ…あぁ…」小さい呻き声を彼の肩で殺していると急に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガサガサガサガサ!!!!

 

 

と音がして、驚いて顔をばっと上げる!

 

 

なんと

 

 

野良猫かと思うほどの大きさのネズミが私たちの方に爆走してきたっっ

 

 

ガサーーーーーー

 

 

スライディングを決めたような激しい音とともに私たちの横を全速力で駆け抜けて茂みに消えていった。

 

 

 

 

 

ドキドキドキドキ…

 

 

び、びっくりした。。

 

 

都会の公園怖い都会の公園怖い都会の公園怖い…

 

 

びっくりしすぎて心臓がバクバクするけど、公園でいやらしいことをしているところにネズミに突進されるなんて珍妙で間抜けな自分の姿に爆笑せずにはいられなかった。彼も笑っていた。

 

 

進撃のネズミの衝撃にムードを戻すことはできず、しかもそこそこいい時間だったので今日はもう解散することにした。

 

 

広げた脚の間に突進されなくて良かったと今でも心底思っている。