適当に着衣し、中から鍵をあけて、赤薄暗くてまだまだビートの鳴り響く部屋からそっと退出した。

そそくさとシャワールームに逃げ込んで、ケイ君に身体を流してもらいながら、初めてのハプニングバーで、初めての3人をやりきった健闘を讃えてもらった。



私の下腹部を洗いながらケイ君は

「今日はいっぱい出てたね」

と言った。



ケイ君はお小水を見ることとかけることが好きだ。

私も何度かケイ君のために彼の前でしようと試みたけれど、見られているとなかなかでない。

結局いつも、彼は指で私の中の水分を吹かせ、私は彼の暖かい液体をお尻や脚で受け止めるというのがパターンだった。



「今日はもうでないよ笑

 ケイ君のかけて。」



シャワーのお湯とほとんど同じ温度のケイ君から出る暖かい液体が、私のお尻から脚を伝って排水溝に流れていくのを眺めた。



これで本当に今日のプレイは全て終わり。






身体を拭いて服をきちんと整えてBARスペースに戻ると、お兄さんが私たちのために烏龍茶をとってきてくれていた。このあと車で帰る話を最初にしていたのをちゃんと覚えてくれていて、改めていい人を選んだと思った。



時計の針は、もうすぐ朝方の4時を指そうという時間。お兄さんは、私達と少し話したあとに「また会ったらよろしくお願いします。」と、同じ時間帯を生きているとは思えない爽やかな笑顔のまま店を後にした。



私たちも程なく退店した。

この時間に残っている人たちは始発を待つんだろう。

もうこれ以上何か起こりそうにはなかった。起こったとしても私にはなんら関係ないただのセックスがとり行われるだけだろう。目的を果たした私にはもうどうでもよいことだった。



地下から地上に上がると、まだ薄暗く、季節が秋に近づいたことを告げているようだった。



朝日が登りきっていない内はまだ『華金の夜遊び』と言っていいと思っている。だから今はまださっきまでの一夜のお遊びの夢心地に浸っていていい。

そのことに2人は安堵しながら帰路についた。



家に着いたら、少し寝て、起きる。

そして起きた頃には、今日の出来事は過去の出来事になっている。寝ている間の夢だったのでは?とさえ思うかもしれない。



そうやって、経験値だけ上げて、気持ちはリセットして、私たちはお互いにお互いではない誰かとの約束に、翌日は向かうのである。