「さっとシャワー浴びて、ルーム使えるか聞いてきますね。まだちょっとゆっくりしてて」



私たちの竿になってくれるお兄さんはテキパキと段取りし、ケイ君と2人になる時間をくれた。



時間はもう夜中の2時を回っている。

彼を捕まえなかったら2人でして終わりだったろうなと思う。

お兄さんと交代で私たちもシャワーを浴びた。



BARスペースとは別に部屋があって、そこはスタッフに鍵を開けてもらわないと入れないところだった。3人でその部屋に入った。



部屋は薄暗くて赤いマットが敷き詰められていた。ガンガン音楽が鳴っていて、私たちよりも先にプレイしていた人たちの喘ぎ声もほとんどかき消されていた。



若い頃に、ナンパされるの目的に遊びに行っていた六本木のクラブみたいだと思った。

あの頃はモスコミュールを片手に音楽に肩を揺らしながらチラッて目線をやりながら歩くだけで、一歩進むごとに男に声をかけられるのが楽しかったな。



そんな郷愁の念に一緒だけかられたけれど、すぐにちょうど終わったらしい3人組が目に入り現実に引き戻される。



異空間にいるみたいだけど、これは現実で、私はこれからこのやり終わった3人がやっていたであろうことをココでするんだ。



スタッフから渡されたバスタオルを端っこにおくと、まずは立ったまま、お兄さんとケイ君が私の身体を優しく撫でていった。



『手数がある方が絶対に女性は気持ちいい』



そんな事を言っていたエロ医者がいたなと思い出す。



彼の言葉は正しかった。