6月下旬、夫婦でコロナに感染してしまいました。
私はファイザー製のパキロビット、女房は塩野義製薬のゾコーバーを服用しました。
治療薬服用後私は順調に回復しましたが、喉の痛みはしばらく続きました。
女房の方は熱下がったものの、声が出なくなる症状が続き、
内科医の相談したところコロナの感染が治まれば大丈夫でしょうという見立てでした。
声が出なくて困った女房は近くにある耳鼻咽喉科を受診することにしました。
そのときの声帯付近の絵を描いてみました。
声帯の奥には気管があり空気の流れを邪魔をするものはないのですが、
声帯の奥に灰色の膜が出来ていてこれが声を出すのを邪魔をしているようでした。
7月1日、初診の際は、声帯ポリープ、の見立てで以下の薬が処方されましたが、
「コロナの患者さんがよく来られるのですが、ゾコーバーなんて効きませんよ。」
という言葉が心に残りました。
耳鼻咽喉科の先生らしい所見?のような気がしました。
カルボシステイン錠
レボフロキサシン錠
エンペラシン配合錠
ブデホル吸入粉末剤
1週間後以下の薬に変更されました。
クラリスロマイシン錠
カルボシステイン錠
トラネキサム酸錠
エンペラシン配合錠
ブデホル吸入粉末剤
3週間後の受診の際に、病名はポリープあるいは声帯結節なのですか?
と確認しました。すると先生は、
「声帯の後ろ側に出来た膜が声の出るのを邪魔しているようです。」
と説明されました。明確な病名は聞けませんでした。
「いつ頃声が出せるようになりますか?」
という質問に、
「ここまで改善した方が驚くくらいです。加齢で声が出にくくなることがあるので少し時間がかかるでしょうし、治らないこともあり得ます。」
と答えられました。
このときの受診の際には声帯付近の膜は1/3くらいに減少していました。
そして以下の薬が処方されました。
トラネキサム酸錠
エンペラシン配合錠
ブデホル吸入粉末剤
医師の見せる際写真を切り替える動作が速く、説明に納得できなかった女房が、
受診後内科医が紹介してくれた耳鼻咽喉科を受診したいと申し出ました。
その日の午後クリニックに直接電話すると来訪すれば見てくれると言います。
若い先生でしたが、これまでの経緯を説明すると、
「高い声で、い~、と言ってみてください。」
と言いました。
もちろん声がかすれて、イ~、なんて出せません。
すぐに鼻孔の麻酔処置が行われ内視鏡が挿入され声帯付近が映し出されました。
すると先生が、
「この症状は珍しいですね。これまで1度しか見たことがありません。」
といって病名「声帯横隔膜症」という名前を手書きし女房に手渡してくれました。
最初は気道の2/3くらいまで膜が出来ていました、と私が補足説明すると、
「ゾコーバを飲んでいて良かったです。もし飲んでいなければ窒息していたかもしれません。」
と驚く話をするのです。
そして発声状況を動画で撮影し声帯が完全に閉まらない状況を見せてくれました。
それで完治するまでにどれくらいかかりますか?という問いに、
「3ヶ月経過して治らない場合は手術を考える段階になります。でも手術すると2週間は声を出せないのでつらいですよ。声を出すと声帯が癒着するの再手術になります。」
これらの説明に女房は腑に落ちたようで嬉しそうでした。
薬は先の先生の薬を生かしてちょっと思案し抗アレルギー薬を追加してくれました。
帰宅して追加された抗アレルギー薬リザベンカプセル錠を調べてみると、
「気管支炎、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療に用いられます。」
とありました。
コロナによる気道の炎症で肥厚した部位に適応するようなので納得の薬に思えました。
以上、コロナ後遺症の珍しい声帯横隔膜の症例をご紹介させていただきました。
珍しい病気だけにセカンドオピニンの重要性が大事だと思った次第です。
皆様のご参考になれば幸いです。
※ 声帯横隔膜症を引き起こしたのは激しい咳き込みに一因があると思います。
ずいぶん夜間咳き込んでいましたから。
咳き込む場合は早めに咳止めを服用ください。