シーンをいくつも作っていく構成の中に
時にBTS7人を浮かび上がらせてもいた。
ほとんどのメンバーが視たらしいあの韓国ドラマを
一部参照したようなVCRは
そのシーンの束をひとつの物語に収束させていく。
形而上学的で哲学的な側面もある物語に。
構成のすばらしさにも圧倒された。
(別のところで書くかも...)

D_Day_tour yoongi 20230604.jpg

余談ですが BTS FESTAの一環の惹句!?
The Daydream Believers: 꿈, 마침내 の마침내
RMが観たパク・チャヌク映画『헤어질 결심』発の「流行語」でもある。
韓国ドラマや韓国映画、韓国現代美術アートなどにもリンクし、
それによりコンサートなどの構成も
重層的で奥行きある設計で、余韻にしばらく浸ってしまう。

bts festa 202306.jpg

윤기の(Agust D-DAY TOUR 6月3日の)コメントで
「...남 눈치 좀 덜 보고 周りの視線を気にし過ぎないで(拙訳意訳)...」は
日本のファン向けの自由(自律)「解禁(해금)」だったのだろうという感慨も。
「해금」はもちろんAgust Dアルバム「D-Day」のタイトル曲。

思い出すのは「Tシャツ」問題。
BTSが「Tシャツ」の件で延々日本のネット上などで攻撃されていた時、
日本のファン(の一部)はBTSを守ろうとするどころか
ファン卒と言い出していたこと。
日本のネット上の視線を気にし過ぎていたのだろうか。
その日本のSNS上の声が正しいかどうかも
ファクトチェックせずに?
ある調査によれば情報の真偽を確認する「ファクトチェック」の
手段を知る人の割合が日本はアジア主要国で最下位、と。
地震が発生する度に「井戸に毒」などのデマ流言蜚語が流され
止めることなくスルーする人も多い日本のネット空間で
ファクトチェックは必須のはず。
ファクトチェックせず、自分が傷つかなければよい、
自分が信じたいことだけ信じて安全圏にいたい、
あるいは現実から逃げたい現実逃避したいという受け身な姿勢は
やはり周りの視線を気にし過ぎる習性やムラ社会と結びついていそう。

だから、自分が傷つかないように現実逃避して
(一部とはいえ)ファン卒してしまったりしていたのかもしれない。
一方で、周りの視線を気にするから
海外ファンが「Tシャツ」問題をファクトチェックして抗議し始めてからは
後追いで便乗同調していたのも、また別の受け身な姿勢。
自分で判断出来ない、加えて周りの目を気にし過ぎる臆病さで
間違っていることに堂々と率先して抗議できない弱さも。
外国人や難民、LGBTの人権問題などについて国連、G6(of G7)や欧米から
指摘され抗議されても動こうとせず開き直る日本政府の醜悪さはともかく、
常に「外圧」がないと動けない受け身や現実逃避。

傷つきたくない、責任を取りたくない、
受け身で臆病で「外圧」があれば流されて少しは動くかもしれないけど...
という「日本人らしさ」に
윤기は3日間で少しずつ自由(自律)を「解禁」し
解き放とうとしたのかもしれない。
(深読みすれば)
윤기のコメント「周りの視線を気にし過ぎないで」は
優しいようでいて奥深く
臆病者の卑怯さをも看破している気がする。
コンサートで自由に自律的に動くことはそろそろ可能、
ではレイシズムやコロニアリズムを克服できない人権侵害問題や
歴史「修正」問題では?
海外ファンが動くまで
「Tシャツ」問題でBTSが攻撃されていても
見て見ぬふりをして傍観者だった日本のファンは多かったはずだから。
日本での問題なのだから間違っていることには間違っていると率先して毅然と抗議し、
BTSを守ろうとしなければ、先頭に立たなくては、と思うのだが。
自律的な知性や人権意識が弱く、
周りを見回さないと出来ない怯懦が強すぎるのか。
ちなみに筆者は10年以上前、東日本大震災前後からSNS上で
日本の歴史修正やヘイトスピーチ、デマなどに抗議し
逆ギレしたネトウヨらに攻撃もされ続けて来ていたので
当時も周りの視線は気にせず書き、
米国の某センターには粛々とメールで抗議。

その頃、韓国の民主化運動の時代を描いた小説の読書会があり、
内容にリンクした話の流れで自分も国会前に何度も
足を運んでいたことをチラッと言ったら、
見知らぬおばさんが自分は目立ちたいと思わないのでデモなんて行かない、と
厭味ったらしく言ったので呆れ愕然とした。
明らかに憲法違反と指摘されている問題で
国民主権も無視して強行採決されてしまった問題で
デモしか民主的手段が残っていなかったのに?
国会前に行くことを目立ちたがり、と
主観的邪推で矮小化しかしない思考停止臣民。
こういう無根拠で意地の悪すぎる邪推が多いことも、
日本で他者の視線を気にしすぎてしまう要因の一つだろう。

上岡龍太郎氏が阪神大震災後にこのようなことを洩らしていたそう。
「日本のメディアにはヒューマニズムがない。
人間愛がない。なのに妙なセンチメンタリズムだけがあり、
悲惨さを楽しもうとする」
「Tシャツ」問題をめぐる日本人と日本社会の剥き出しのレイシズムと攻撃性、
一方で被爆者らがこぞって批判した広島サミットの矛盾した現実。
アジア2千万人の命を奪った侵略加害の戦争責任は看過し
被害者の側面だけを都合よく拡大し新派調、センチメンタリズムで
消費し続ける「歴史教育」も
思考停止臣民量産に一役買っているだろう。

BTSの「Tシャツ」問題で歴史的文脈も知らずファクトチェックもせず
ファンを卒業してしまった人も
そんな臣民として短絡し卑怯に思考停止してしまっていたのか。
そして、周りの目を気にして傍観者として黙っていながら
海外ファンが抗議し出して初めて
海外の声に押され便乗し同調する人も
卑怯さはそう変わらないように思う。
そんな人のためでもある曲「해금」は
日本社会にもグサッとささるはず...という思いも。
ただし、해금(奚琴)で「解禁」を歌う「해금」を初めて聴いた時は
アイドルのフレームに囚われ閉塞的な価値体系で
苦しんでいたかもしれないあの人、あの人たちをまず思ってもいた。
もう少し早くこの曲を聴くことが出来ていたら、と悲しい気持ちで。
魂の「自由」を説く「해금」は普遍的。

2011年1月のソウル公演、
韓国の観客の熱い反応に喜んでいた坂本龍一氏

 

#ケンドリック来日に乗じて
ケンドリックの背後からしか言えないのなら...
他人事(ひとごと)感
他者依存の民主主義、と2018年に書いていた


Featuring Halsey「작은 것들을 위한 시 Boy With Luv」も
映画へのオマージュあるMVで
ハイコンテクストな意味をいろいろ考えさせられていた
ので
Halseyと윤기、「Lilith (ft. SUGA of BTS)」も楽しみ

to be continued...!?

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