ダイバーシティ Diversity 多様性あるオスカーへ。
歩み始めた2015年頃
試行錯誤していた2016年授賞式を思い返しつつ。
アフリカ系アメリカ人初めてのスーパーヒーローもの
ライアン・クーグラー監督『ブラックパンサー Black Panther』が作品賞にノミネートされて感慨深い。
昨年はキャスリン・ビグロー監督『デトロイト Detroit』が
ノミネートされずがっかりしたが
今年はスパイク・リー監督『ブラック・クランズマン BlacKkKlansman』がノミネートされた。
『グリーン・ブック Green Book』はアフリカ系アメリカ人アーティストをサポートする
イタリア系アメリカ人との二人三脚の話。
アルフォンソ・キュアロン監督の少年～青年期を描いた『ローマ Roma』もノミネート。
『バイス Vice』（ディック・チェイニーが主人公）と
『女王陛下のお気に入り The Favourite』は主人公が白人ではあるものの
前者は（未見だが）「ネオコン」元副大統領を描くことで
現在の政権にも楔を打ち込む可能性が...
後者は #MeToo にもリンクする内容らしい。
『アリー/ スター誕生 A Star Is Born』も白人が主人公だが
オリジナルの『スタア誕生』からリメイクまで製作には多くのユダヤ系が関わり
前リメイク、『スター誕生』のバーブラ・ストライザンドはユダヤ系で
今回のリメイクにも鼻のネタが登場するのでもしかしたら仄めかされている？...と思ったりも。
主演のレディ・ガガはイタリア系であるものの。
（同時期に観たドキュメンタリー『ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー Whitney』の
リアリティに打ちのめされ圧倒され
少々違和感あるブラッドリー・クーパー初監督演出の粗が気になってしまった）
そしてクィーンのフレディ・マーキュリーを描き世界的にヒットした
『ボヘミアン・ラプソディー Bohemian Rhapsody』も非白人のアーティストが主人公。
作品賞ノミネート作品の
非白人率の高いこと！に驚く。5/8, 62.5%!
（追加で2作品ノミネートは...!？）
残念ながら、女性監督の作品は入っていないものの（映画業界・製作サイドの女性比率はまだまだ）。
白すぎるオスカー #OscarsSoWhite から
ダイバーシティ Diversity 多様性あるオスカー
Osacars So Diverse へ、と感慨深い。
そして『ローマ』は動画配信サービスで公開された映画という点にも刮目。
Netflix を締め出す形になったカンヌ国際映画祭と
Netflix を受け入れたヴェネツィア国際映画祭は対照的だったが、
多様性の道を進むアカデミー賞はスクリーンにも拘らないのかも。
2015年、韓国の映画人が選考委員に選ばれ
始め...
2018年、非白人、アフリカ系アメリカ人やアジア系アメリカ人が主人公の
映画が人気を集め...
2018年11月は
トランプ政権下の中間選挙で
民主党の候補者51％は女性。
史上初のネイティブ・アメリカン女性議員誕生、
シャリス・デービッズ氏。
史上初のオープン・ゲイの議員や知事、
史上初のムスリム女性議員誕生。
元ソマリア難民ムスリム女性イルハン・オマール氏と、
元パレスチナ移民ラシダ・トレイブ氏。
史上初のアフリカ系女性議員も誕生（全て民主党）し
女性を見下しマイノリティや多様性を否定するトランプの目前に
多様な構成員、多文化共生を突き付ける形になっていた。
韓国系カナダ人サンドラ・オー Sandra Miju Oh が
エミー賞主演女優賞にノミネートされ
ゴールデン・グローブ賞授賞式の司会を務め
Golden Globe Award でついに！
主演する「Killing Eve」でドラマ部門主演女優賞を受賞。
アカデミー賞外国語映画賞に
韓国系アメリカ人スティーブン・ユァン主演のイ・チャンドン監督『バーニング Burning』がノミネートされなかったのは残念。
映画批評家も炎の絵文字で🔥 burning。
しかし、長編ドキュメンタリー賞には韓国系プロデューサーが関わった
『Hale County This Morning, This Evening』がノミネート。
Su Kim は『キムジョンギリア / 金正日花 Kimjongilia』等のドキュメンタリー・プロデューサー。
（2010年町山さんの未公開映画？でキムジョンギリアを観た記憶が）
現実には
メキシコとの国境に壁が作られようとして
多様性・反差別と反多様性・差別が
鬩ぎ合っているように見えるアメリカ。
しかし、映画やアカデミー賞というプラットフォームから少しずつ変わっている社会を感じ、
息が詰まる思いをしていたマイノリティが
少しでも一息つけるのなら、と思ったりもする。
今を反映している、反映されているから。
もう一つの巨大プラットフォーム
スーパーボウルのハーフタイムショーで今年はどんなメッセージが伝えられるか、
それも楽しみ。
to be continued...!?
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