あらすじ
ギターの才能に優れ音楽の道を志す12歳のミゲルは
代々音楽を固く禁じられた靴職人リヴェラ家の男の子。
家族の反対を振り切って
コンテストに出場しようと死者の日に家を飛び出したミゲルは
伝説のミュージシャン エルネスト・デラクルスの墓にギターを見つけて...

(以下、映画の核心に触れる部分もございます)

声の出演:アンソニー・ゴンザレス、ガエル・ガルシア・ベルナル
ベンジャミン・ブラット、アラナ・ユーバック
レニー・ヴィクター、ハイメ・カミーユ

『トイ・ストーリー 3』
リー・アンクリッチ、エイドリアン・モリーナ共同監督
ピクサー Pixar / ディズニー Disney 製作
『リメンバー・ミー Coco』(2017年)
音楽はマイケル・ジアッチーノ。

『007 スペクター SPECTRE
通過する景色の一つとしてもゴージャスに映し出されていた
『死者の日 Día de Muertosがついに主題に。
『死者の日』の意味について、の映画に。
死者を思い、死者を忘れないこと。
家族や先祖への愛は
彼らが死者の国に旅立っても
記憶すること、憶えていることで途切れずしっかり結び付いている、と
死者とのつながりを深く伝える。
1年に1回以上、先祖に対して祭祀等を行うアジア圏の人々にとっては
すんなり通じる、腑に落ちる、家族や先祖への思い。

ピョンチャン・オリンピック閉会式について、でも
そこで表現されたテーマの一つ「弔い」について記したが
(オリンピックのキャラクター、スホランは30年前のホドリと、
バンダビは30年前のコムドリとリンクしていて
それぞれの先祖、歴史と繋がっていたことも想起)
死者を忘れない、死者への思いの重要さは
特に大人の観客に沁みるのではないか、子どもたちよりは死の近くにいる大人の方が。
ミゲルのセリフ、
Look, what I'm trying to say is... is that
although you may never forgive him, you should NEVER forget him!

「許せなくても忘れてはダメなんだよ」が
記憶でつながる家族、家族の結び付きを気付かせるように。
ヘクターの友人 Chicharrón がこの世で誰からも忘れ去られた時
死者の国で「最後の死」を迎えてしまう悲しみと衝撃を目の当たりにしたミゲルは
この世からあの世へ行ったことで
死者と生者の結びつき、結びつける記憶を理(ことわり)のように学び悟り
子どもながらも、大人に先祖にそれを伝え
疎通できなくなった人たちの間にまた橋を架ける、
和解させる役割も果たしていた。
そして「生きている人が語り伝えないと」は歴史にも通じる真理。

エンドクレジットではキャストやスタッフの、
今はもう死者の国にいる愛する人々のコラージュが。
平昌オリンピックの閉会式も
今ここで死者を思い出し悼むことを気付かせてくれたが
『リメンバー・ミー』や死者の日の文化も同じように気付かせてくれた。

一方で映画は
異文化と異文化に生きる人々の生や情緒を伝えるエデュテイメントな趣も。
それはエンドクレジットで補強もされていた。
エンドクレジットにずらりと並んだのはリサーチに協力したメキシコ系ファミリーの名前の列。
監督やスタッフは何度かメキシコへリサーチ旅行に行ったそう。
そして、最後に
The Day of the Dead is a Mexican tradition with roots in indigenous cultures.
To learn more, visit your local library.

「詳しく知りたいなら地域の図書館へ」のメッセージが。
ハリウッド映画で「地元の図書館へ行きましょう」と言うのは寡聞にして知らない。
最近の映画のエンドクレジットは雇用を増やした、雇用が増やされたばかりだったし。
映画を観て「死者の日」やメキシコの風習、文化に興味を持ったら
図書館へ行ってね、と理解を深める行動を促すメッセージも素晴らしい。
異文化理解、多文化共生への一歩であり、
知への欲求を後押しし観客の背中を押す一言が
トランプ下のアメリカや不寛容な世界では尚更意味深く意義深く輝くから。

釜山の「マチュピチュ」と呼ばれる甘川洞文化村は
映画の中の死者の国のイメージ、ビジュアル制作にインスピレーションを与えたという
世界遺産、メキシコ中央部の美しい都市グアナファト Guanajuato にも似るが
カラフルな色遣いは
好きな建築家、メキシコのルイス・バラガンの建築にリンクもし
実際の街並み、風景とオーヴァーラップする眼福が。

プロダクション・デザイナーは韓国系のようだった。

熱い涙のカタルシスは
やがてやさしい気持ちを余韻として残し
テーマ曲Remember Meと共に反響する趣。
Michael Giacchino の曲を
自分の家族に当てはめて口ずさんでしまう。
(『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は映像はなかなか良かったがストーリーが竜頭蛇尾で
大風呂敷を広げてそんなオチ?と不完全燃焼でもやもや。
その点『リメンバー・ミー』は余韻も完成度が高かった)

 

余談ですが、
幽霊系映画は検閲で中国内では上映出来ないのが通常だが
本作は特別に上映許可が下り、中国でも大ヒットしていたそう。
先祖を思う行事や気持ちは(アジア文化圏と)共通もし
共感したからだろう。

死者の日のオフレンダ Ofrenda。

sisya.jpg

La Calavera Catrina カトリーナ。

caterina.jpg

to be continued...!?

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