I AM. SMTOWN LIVE WORLD TOUR IN MADISON SQUARE GARDEN.
2011年10月23日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開催された
SMエンターテインメント所属アーティストによるコンサート「SM TOWN」。
そのライブのもように
出演アーティストたちへのインタビュー、
オーディション時の映像、
練習生時代の練習風景を織り込んだ
音楽ドキュメンタリーが公開。
出演はS.M. ENTERTAINMENT所属
BoA、KANGTA、東方神起、SUPER JUNIOR、少女時代、SHINee、f(x)、最後にちらっと新人EXO。

i am smt.jpg

冒頭のシーンから
少女時代はじめアーティストたちが大画面にアップで映ると
目が釘付け。
ほんとうに魅力的で美しさにあふれている、と感じた。
アップで見て全く欠点がない(≧ω≦*)
映画館のスクリーンで彼らの姿を見るのは
コンサート会場のスクリーンよりもちろん解像度もよいのだが、
アップで見ても欠点が目に入らない、
完璧な美しさを再発見。
ふだんTVやPCやスマホの小さい画面で見ているだけなので
本当の美しさを知らなかったのかもしれない...
まず冒頭はその発見、と真実に心が動いた。

オーディション時の映像、
小学校5、6年生時の彼らの映像を見て
SMエンターテインメントのアーティストたちは
幼いころすでに歌もしくはダンスに才能の片鱗を見せている、と納得。
小学生のヒョヨンのダンスもすごくリズムにのっていて上手かった!
練習生として選ばれるにあたって
歌かダンスのどちらかもしくは両方に才能があって選ばれていた。
それにも関わらず
それでも彼らは学校が終わって夜中までのレッスンを毎日続けて5年、あるいは5年以上。
そうした、たゆみない努力の積み重ねで現在の姿がある、
完璧なアーティストが誕生した、とわかってくる。

オーディション時や練習生時代の幼い時の姿と
現在の完璧なアーティストとしてのパフォーマンス映像が交錯する編集は
彼らの過程と到達点を、時を超えて一気に同時にたたみかける説得力があった。

デビュー時の映像はもっと心を動かされた。
マディソン・スクエア・ガーデンの完璧で自信にあふれたパフォーマンスと対照的で
TV初出演を前に
泣きながらメイクを直してもらうテヨン らが愛おしく...思わずもらい泣き。

そしてTV初出演が終わると
ロビーには両親はじめそれぞれの家族が待っていて...
涙を流しながら抱き合う姿は
アーティストとしての姿より、一家の娘、息子、ひとりの子どもとしての姿。
現在の彼らからは想像できなかったけれど...
またしても時を超えて、
タイムマシーンのように時を遡って、アーティストたちの来し方を意識させられた。
家族がおおぜい集まって待っているデビューの光景も韓国らしい光景。
音楽番組で1位を取ると
「お母さんお父さん、愛してる!ありがとう!」と必ず言うアーティストたちの
原点が伝わってくる。

リョウク(りょうちゃん) の涙、ソルリの涙にももらい泣き...
ニューヨークでの堂々とした素晴らしいパフォーマンスの合間に
そんな風にふいに過去に引き戻され時間を超えて、
彼らが苦労してのぼってきた道をまた思っては、ほろりとしたりする。

ダンス練習室として何度も
白い木製ドアのある部屋が登場して感慨深い。
何年も前から今までずうっと、
その白い扉はアーティストたちを見守って来たのだなぁ、と思えて。

BoAやH.O.T.のKangtaを先輩として尊敬し憧れ、
先輩を立てる後輩アーティストたちの姿にも目頭が熱くなった。
ここにも韓国らしい情、人情があふれている。

iam superjunior2.jpg

冒頭、ニューヨークの街にCGを埋め込む手法は
ドラマ「強力班 ソウル江南警察署」や
「ロマンスが必要」 等のオープニングなどで視た手法。

2011年12月31日のMBC歌謡大祭典の時 のように
ホログラム/ホログラフィーを使って
数年前の自分と現在の自分を合成してタンデムでダンスするシーンはおもしろかった。

ドラマ「烏鵲橋の兄弟たち」
現在30代のテヒが6歳の時門の外で母親を待つかつての自分をさびしく、でも愛おしく見つめるシーンや
映画『サニー』 で42歳のイム・ナミが高校生の時の自分を抱きしめるシーン。
韓国ドラマなどで多くつかわれる、
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にもあるように、
現在の自分と過去の自分が邂逅し、
現在の自分が過去の自分を引き寄せ抱き寄せ
悲しみも苦しみもすべてわかって抱きしめるように寄り添うシーン、心寄り添わせるシーンをも
彷彿とさせる。

ただ、ドラマや映画と違って、
子ども時代から才能あふれた左側に映る過去の自分と、
その才能を切磋琢磨し、より完成度高く堂々とperformする右側の現在の自分は
現在の自分が過去の自分を抱きしめる、
というよりは同一人物でありながら
ふたりのアーティストがコラボしているかのようで、刺激的且つ感覚的に楽しめた。眼福。

特に、ユノのダンスは
左側に映る子どもの時の自分のダンスに
余裕を持って伴走する、合いの手を入れるような巧みさと
R&B的リズム優れた感覚的なパフォーマンスを楽しんだ!

こんなふうに
冒頭のCG、
中間のホログラム合成、
後半のUCC※と
さまざまな手法技術を駆使して表れているのは、
緊張していたり泣いたり笑ったりする素顔のアーティストと
完成度の高い公演パフォーマンスという二面性、ふたつの世界の同居と、
そしてMSGの熱狂という、彼らのふたつの世界より広い世界の反応。
アーティストの世界と、MSGをはじめとした全世界の反応、
そして過去と現在を縦横に結ぶドキュメンタリー。

社会学的あるいは心理学的に興味深かったのは
本名と芸名の間、
ふたつの名前が象徴する
ふたつの世界にいる自分は
ふたりいる、別人だ、と区別するアーティストもいれば、
違いがない、変わりがない、同一人物だ、と言うアーティストもいたこと。

ちょっと意外な気もした。
芸能界という、ある意味表層的な世界にいる自分はもうひとりの自分ではない、
と考えるアーティストもいる、ということに。
虚実ないまぜな世界にあって、ただひとりの自己を、平常心で保っているということ。

自分は表の自分と裏の自分で構成されているのではない、
ふたりの自分の間に行き来はない、と言い切っているのが清々しく
興味深かった(もしかしたら、本音の多い韓国社会ならでは、の現象、真実なのかもしれない...)
SUPER JUNIORのリョウク、ドンヘ、シウォン、ソンミンは
SUPER JUNIORとしての自分も、
普段の自分も差がない、相違がないという。
すばらしい!(≧∀≦*)
そんなアーティストの、
ちょっと形而上学的な言葉、哲学的な考察の一端を知ることができたのもうれしい。
(芸能界に対する考えも少し変わってくる)

シウォンの言葉、
(SME/SMTは)
卒業することのない学校、という言葉が
すべてを物語って、心に残る。
(さすが、シウォン!(≧ω≦*)
10代を共に過ごし
20代も共に疾走し
やがて30代も共に生きる。
仲間の強いきずなと信頼、
と同時に、終わりのないたゆみない努力の日々と成長を表している。
ロジャー・コーマン監督の「コーマン学校」 に匹敵!?
SME学校!?に匹敵)

SMEに限らず、
JYPもYGEも所属アーティストたちの感受性や才能を引き出し、伸ばすような
さまざまなカリキュラムを備えているから、
どこの事務所も「学校」みたいなものかもしれないけれど...。

こんな風に
(ファンなら特に!)
観ながら心が波立ってもらい泣きの多い作品だった。
一部の編集手法や、字幕の翻訳ミスは気になったけれど...

ひとりのアーティストの話がまだ終わっていなくて、
これからいよいよ核心の答えが出る、という時に
ふいに別のアーティスト(すこぉし話は関連しているが)に飛ぶ編集はちょっと...
ドキュメンタリーなのだから
そんな風に思わせぶりにじらしたり、寸止めする編集は採用しなくてもいいのになぁ。

そして字幕翻訳が若干間違っているのに気が付いてしまった...
12月25日と話しているのに
12月26日と訳されている。
「まだ道は長い」
よりも自然で正しい日本語訳なら「まだ道は遠い」が適語。

韓国では5月10日公開予定だったが
サウンド補強作業のために公開が延期、
6月21日に公開予定とのこと(韓国版!?も観たいなぁ...)

余談ですが
ウニョク・ファンはウニョクのシーンが多くてうらやましいな...
ウニョクがケチ!?という話は
「親友ノート」 にもよく出ていた気が...。

f(x)のアンバーは
マンガ「うる星やつら」の竜之介にちょっと似ているかも。
イ・スマン会長と拳を合わせて挨拶するなんてアンバーくらい!?(≧ω≦*)

アメリカの会場は写真&動画取り放題でいいなぁ(≧ω≦*)

※UCCは2006年ころから韓国でよく使われるようになった言葉で、
User Created Contents/ユーザー作成コンテンツの意味。
オリジナルのMV制作、コピーダンス・カバーダンス等が含まれる。

ただし、UCC/User Created Contentsは韓国特有の語彙(Korean English=Konglish )で
英語圏ではUGC/User Generated Contentと呼ばれている。

映画『I AM.』の中には
MSG前あたりでSHINee「Lucifer」を踊るアメリカ人グループのUCCが盛り込まれている。
エンドクレジットには世界中から届いたUCC作成グループの名前がずらっと並び、
エンドクレジット後にも今回応募されたUCC映像の一部が紹介されている。

チェ・ジンソン監督作品。

buzz KOREA

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